第11話

「……ッ!!!」


 純粋な力が荒ぶって震え、草木をかき分ける。

 

「ふわぁ」

 

 僕はあくびを浮かべながら悪魔数体と戦闘をしているアルミスを眺める。

 彼女は持ち前の高い戦闘力の駆使し、僕の結界による支援を受けながら必死に戦っていた。


「……あなたは何をしているのよ」

 

 そんな僕の元にマルジェリアが近づいてくる。


「ん?見てわからないの?ぼーっと眺めているんだよ」


「わかるわよ。そんなこと。知りたいのはその行動理由よ。……なんであなたはそんなにのんきにしているのよ」


「僕だからだよ」


「理由になっていないわ」


「……なんで君風情に理由を教える必要があるの?今なら戦っても瞬殺出来るんだけど」


「……」

 

 僕の言葉を聞いてマルジェリアは沈黙する。


「最近は素直で真面目になったのかと思ったのだけど……変わっていないわね。……戦うのは辞めておくわ。今戦ったら本当に負けそうだもん。全然鍛えているようには見えないのに毎日着実に強くなっているのよね……出鱈目にも程があるわ」


「アレイスター家だからな」


「私よりも強いアレイスター家も珍しいのだけど……んっ。悪魔の封印ってキツイわね。さっさと殲滅してもらえないかしら?」


「あ、マルジェリアが封印した悪魔くらいは倒してあげるよ」


「あら?本当に助かるわ」

 

「おう。じゃあ四つん這いになって、封印したところまで案内して。その上に僕が乗るから」


「……」

 

 僕の提案に対してマルジェリアが真顔になって沈黙する。


「……んん!ちょっと良いかも……」

 

 そして、ほんのり頬を赤く染めて体を震わせた。



「ちょっと!私が真面目に戦っているときに何をしているのッ!?手伝ってよ!そ、それに四つん這いくらいなら私もするよ……?」

 

 

 僕とマルジェリアのやり取りを横目で見ていたマルジェリアが僕に向かって大きな声で叫んでくる。

 ……え?アルミスってば四つん這いオッケーなの?

 ちなみにだけど結局僕はマルジェリアを四つん這いにして歩かせ、封印されている悪魔の元にまで歩かせた。

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