第9話

「ちょっとここの税収の計算合わないな……」


「え?どれどれ」


「ねぇー。ちょっと誰かここに連絡してくれない?」


「はんこーはんこはどこー?」

 

 生徒会室。

 そこではいつもどおり王国の執務が行われていた。

 ただの生徒風情が王国の執務をやっているという現状はおかしなものだが、もはや全員慣れていて、この現状に異を唱えるものは誰も居なかった。


「ふわぁ……」

 

 僕はサボったせいで溜まっていた仕事を急速にこなしていく。

 アレイスター家の力も出し惜しみはしない。


 

 ドスンッ!!!

 

 

 生徒会メンバーが執務をこなしている……その時。

 学院中に大きな振動が伝わってくる。


「なに!?」

 

 それに対して一番最初に反応したのが生徒会長だ。

 急いで現状を確認するために、気配察知の魔法を発動する。

 

「……ッ!?弾かれた!?」

 

 しかし、それは弾かれると言う結果に終わる。


「弾かれた場所は……」

 

 生徒会長が慌てて自分の魔法が弾かれた場所を探し始める……その時。

 

 バンッ

 

 勢いよく生徒会室の扉が開かれ、中にサブマ、リーリエ、ラザリアが入ってくる。


「……エルピスッ!!!」

 

 生徒会室に入ってくるなり、サブマは僕の名前を呼ぶ。


「何?」

 

 僕はサブマの前へと転移して用を尋ねる。

 既にわかっているその用を僕は尋ねる。


「ダンジョンが!?……魔物が溢れて、人を襲ってそれでそれで!マキナが。いや違くて!……ッ!邪神!そう!それがッ!!!」

 

 返ってくるのはまとまりのないぐちゃぐちゃな言葉。

 サブマの声も早口で、聞き取りにくい。

 これ以上ないまでに動揺していると言うことがすぐにわかる。


「とりあえずは落ち着いて!まずはゆっくり……」


 そんなサブマに対して、生徒会長がそう声をかける。

 しかし、今。そんな悠長なことを言っている暇などない、事態は一刻を争うような状況だ。


「いや、ゆっくりとしている暇はないかも。とりあえず道すがら話を聞こうかな」

 





 あとがき。

 今日はキスの日らしいですね。

 キスって甘酸っぱいらしいやん(テレテレ)

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