第3話
「そうだなぁ……なんか案とかあるか?」
国王がダラけきった表情で僕へと尋ねてくる。
「そうだね……とりあえずは議会を作って民意を反映させることかな……」
僕は国王に対してそう答える。
最終地点として考えるのであればイギリスの立憲君主制当たりに落ち着くのが良いと思っている。
正直な話、この国の王侯貴族は想像以上に大変なことになっている。
トップである国王はただの傀儡。本来のトップである五賢会は壊滅。南の領地は絶賛大混乱、変革期。
この国でこれ以上王政、貴族制を続けていくのはかなり難しい……と思われる。新聞なども発達しちゃっているし。
というか、そもそも国の執務を未成年の学生に任せるような国がまともなはずもない。
学生に支えられている国とか普通に終わっている。
「「「議会……?」」」
僕の言葉に対して国王と騎士団長と魔道士長が首を傾げる。
どうやら初めて聞くようだ。
「なるほど……北欧の方にある小議会連合国家のようなもですか」
それに対して、宰相は議会と言う言葉に反応した。
「そういうことだね」
北欧の小議会連合国家。
昔派手に戦争をしたせいで、全ての国家が爆散。王政、貴族制が廃止。
その後もものすごい激動の時代を歩み、民主主義を政治体系とするいくつもの都市国家が誕生し……それども争い続けた。
そして長き時をかけてようやく安定。二度と悲惨な歴史を繰り返さないよう、全ての都市国家が連合して一つの国を作ろうとして出来上がったのが小議会連合国家である。
この世界で民主主義を思い浮かべるのであればこれが一番わかりやすいであろう。
「当然平民に政治への発言力を与えることに対して反発する王侯貴族もいると思うが……まぁ、そんな有象無象簡単に捻り潰せるからね」
「なるほど……乱暴ではあるものの……これが一番良いのかも知れませんね。となるどこれから我々の方針は……」
「そうだね……」
僕と宰相は国王と騎士団長と魔道士長を完全に置き去りにしてこれからのこの国の方針について話を進めていった。
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