第15話
「なにそれッ!?どういうことなのッ!?」
僕は驚愕し、今言葉を告げた人に掴みかかる。
「し、知らなかったのか……?この記事だよ」
僕が掴みかかった人、男性が僕に新聞を渡してくれる。
「……ッ!こ、これは……」
新聞を見て驚愕し、声を震わせる。
……うん。
ちゃんと僕の要求通りの記事を書いていてくれているみたいだね。良かった……後は五賢会の新聞社が僕が自分の母親を殺したことを書いてくれるだけだ。
「な、なんで……これが……」
「ほ、本当のことなのか……?」
信じられないと言わんばかりに口から漏れ出す僕の言葉。
それに反応する周りの民衆たち。
「なんで!?どこから!?どこから出たの!?……どういうことなの!?」
僕は困惑の言葉を口にする。
「おいッ!事実なのかよ……」
「……事実だよ。出したのはお父様か……これからどうしろと……」
僕は困惑のまま言葉を漏らす。
声を震わせる。
「ほ、本当のことだったのかッ!!!これについての説明をッ!!!」
「どうなっているんだ!?」
「詳細はッ!?全部本当のことなのか!?」
「……詳しくは言えない」
僕は顔を背けて告げる。
「なぜだ!?……私たちが聞きたいのは詳細だッ!……き、君はこんな仕打ちを受けてもこの国を守ってくれるのか!?」
「五賢会とは一体何なんだ!?……君はッ!?」
民衆たちが僕の方へと集まってきて、次々と言葉を話す。
「……言えない」
それに対して僕は沈黙を保ち続ける。
……流石にこのまま諦めないでくれよ……?どっちの言葉が先に出てくるか……生徒会の面々はいつ来るのか……結構シビアだから、急いでくれよ。
「お前が母親を殺したってのは本当なのかッ!!!」
ビンゴ。
僕は求めていた言葉が来て内心、ほくそ笑む。
「え……?」
僕はそれに対して勢いよく表情を上げ、驚愕した。
母親を殺した。
そんな冤罪をふっかけられて驚愕し、嘆き、悲しむ一人の……ただの少年の表情を作って。
母親を殺した一人の理解し難き少年の顔は決して見せずに。
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