第14話

「こ、こんなになんだ……」

 

 学院の方へと帰還した僕はそこに集まっている人の多さに絶句する。

 

「アレイスター家を出せーッ!!!」


「どういうことか説明しろーッ!!!」


「この国はッ!この国は大丈夫なのか!?」

 

 学院の周りに集まっている人たちが大きな声を上げて訴えている。

 ……人だかりが出てきているだろうとは想像していたけど……まさかここまで多いとは思わなかった。


「な、何があったの!?」」 


 僕は理解出来ないと言わんばかりの……白々しい表情を浮かべて近づいていく。


「お?学院生か……?」


「アレイスター家はどこだッ!?」

 

 制服を着て近づいた僕の方へと一気に人が波のように押し寄せてくる。


「ちょッ!おさ……ッ!押さないでッ!!!止まってッ!?その勢いだと圧死者出ちゃうからッ!」

 

 僕はそれに対して大きな声を張り上げる。


「うるせぇ!そんなことよりアレイスター家だッ!!!」


「事情を!事情を話させろぉ!!!」


「落ち着いてッ!落ち着いてくださいッ!!!僕に何の用ですか!?一応僕はアレイスター家の人間ですがッ!」

 

 僕はこの場に居る全員に聞こえるように大きな声を張り上げる。


「「「……」」」

 

 僕の言葉を聞いて民衆がピタリと動きを止める。


「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!?」」」


 そして、大きな驚愕の声が上がる。


「お前かよ!?」


「あれはどういうことなの!?」


「全て本当のことなの!?」


「……君は……」

 

 口々に民衆は言いたいことを言い始める。

 ……怖いんだけど。


「ほい!」

 

 僕は転移魔法を発動して、上へと移動する。近くにあった低い建物の屋上へと。


「話は聞きます!ですから、落ち着いて!」

 

 必死に声を張り上げて、なんとか落ち着かせる。


「そ、それで?一体何があったんですか……?なんでアレイスター家なんかに?」


「……?新聞を見ていないのか……?アレイスター家が最高の暗殺家だって話が出回っていて……」


「……は?」

 

 僕は驚愕に染まった表情を上げる。

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