第4話
ソファに魔王が寝ている生徒会室。
そこに居るのは僕、ミリア、生徒会長、サブマ、リーリエ、ラザリアの五人だ。
「……これが、魔王か……」
ソファに寝かされている魔王を見てサブマがボソリと呟く。
「最近判明した俺の敵がこうして寝ているのか……」
魔王を見て複雑な表情を浮かべているサブマの腰には聖剣がぶら下がっている。
聖剣。
伝説の勇者しか持つこと叶わなかった伝説の剣。
サブマはそれをサクッと持ってきたのだろう。
ゲームではエルフの里に行く少し前のイベントで岩に刺さっている聖剣を抜いて、勇者として認められる、というイベントがあったはずだ。
サブマはそのイベントを踏んで、勇者となったのだろう。
勇者になったサブマが敵として教えてもらうのは魔王。
魔王を倒すためにサブマは体を鍛えるのである。
「なんとも言えない気持ちになるわね……」
その隣のラザリアも同じく何とも言えない表情を浮かべている。
「ふふふ。流石エルピス様です!」
「別に僕が倒したわけではないよ?」
僕がサブマに託したいのは雑用だ。
サブクエストをしっかりと踏んで、色々な人を助けておいてほしい。サブマには民衆の希望となってほしい。
それと───────。
「ま、こうして戦う必要がなくなった。って言うのであれば何の問題はないよな……まぁ厄介ごとの一つや二つくらい出てきそうだけど」
「それだけは間違いないね」
僕はサブマの言葉に頷く。
「それで?一体何が起きているの?」
ラザリアが僕を睨みつけながら尋ねてくる。
「いきなり答えを求める……?」
「どうせ魔王が起きたら聞いてわかることなんだから良いでしょう?……どうせ何が起きたか、そこらへんを知っているのでしょ?……あなたはゴミクズだからそこらへんの情報を隠していたのかも知れないけど」
「んー。まぁ、別に魔王程度の情報であれば何の問題もないよ」
「程度……」
僕の言葉を聞いてサブマが何とも言えない表情を浮かべる。
「魔界から追い出されたんだよ。魔王は。魔族による転覆でね」
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