第2話

「あー……」

 

 僕はいつもどおり生徒会長室でゴロゴロしていた。

 もはや、こここそが僕の教室であると言っても過言ではない。

 学院に居る間、ほとんど僕は生徒会室で過ごしている。


「パフェにございます」

 

 ミリアが僕にパフェを出してくれる。


「あ!ありがと」

 

 僕はミリアが作ってくれたパフェを受け取る。

 やっぱりパフェが一番だよね!

 

 僕にパフェを渡したミリアはそのまま僕の隣へと腰掛ける。


「……ん?なんで僕の隣の席に?」


「べ、別に……疲れていただけです。エルピス様の近くにいたいってわけではありませんから……勘違いしないでください……」

 

 なんか、ミリアがツンデレヒロインみたいなこと言っている……。

 それにしても、なんでミリアが僕の隣に……?ミリアが疲れるとか考えられないのだけど……なんか良い暗殺方法でも思いついたのだろうか?

 

 ちなみに、ミリアは今でも僕の暗殺を狙っている。

 ミリアは僕の動向を探るように隠れてついてくることが多いのだ。特にここ最近はそれが多い。

 三日に一回だったのが、ほぼ毎日だ。


「青春ね……見せつけてくれるわ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 何故かは知らないけど、生徒会長はこれ以上無いくらい発情していた。

 ……一体さっきの発言のどこに青春が含まれていたのだろうか……?


 まぁ、どんなに考えても壊れている僕には青春なんかわからないから……さっきのやり取りの中のどこかに生徒会長の感性だと青春に入るものがあったのだろう。

 

 僕は本当に青春だとか、他人の考えだとかを理解することが出来ない。

 仕事モードだとわかるのだが……プライベートモードだと本当にわからない。


「うるさい。死ね」

 

 ミリアは冷たく言い放ち、投げナイフを投げる。

 

「あぶなっ!?」

 

 慌てて生徒会長は炎魔法を発動して、投げナイフを溶かす。


「やりすぎるなよー」

 

 僕はいきなり喧嘩をはじめたミリアと生徒会長に向けてそう一言告げる。。


「ん……?」

 

 その瞬間。

 僕はここ、生徒会室で空間の歪みを感じてそちらのほうへと視線を向けた。……僕は魔法を使っていないけど……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る