第31話
僕の言葉。
それはわかりやすい挑発だ。そして、魔王はともかく……魔族の軍団長は見え見えの……安い挑発にのっかてきた。
「舐めるなよッ!!!人間ッ!!!」
魔族の軍団長は一人、叫ぶ。
そして、自らの獲物……ハルバートへと自分の魔力を込めていく。
ハルバートが赤い輝きを放ち、膨大な力がうずまき始める。
「ふんッ!!!」
魔族の軍団長はそのハルバードを振り下ろす。
絶大な威力を持ったその一撃。
魔族。
彼らは病魔に適応した存在だ。神のちからを受け入れ、強くなったものたちだ。
そんな彼らの持っている強さは常軌を逸するものがある。
マルジェリアのように長き時をひたすらに自己の研鑽に磨いているわけじゃない……並みのハイエルフであれば一撃で消滅してしまうほどの威力を持った衝撃波が僕へ襲いかかってくる。
「無駄だよ」
高威力の衝撃波。
だが、そんなものは無駄だ。
僕は空間魔法を使って高威力の衝撃波を別の空間へと飛ばしてしまう。
「ッ!?!?……何をッ!?」
自らの自慢の一撃が不発に終わったことに対して魔族の軍団長は困惑し、戸惑う。
「自信過剰にもほどがあるよ……?人間が弱いのは確かだけどさぁ……一部では化け物みたいに強いのも居るんだけどね」
サブマなんかその代表例と言っても良い。
魔族は神の力に適応した種族である。
サブマは神の祝福を一身に受け、神の力すら手に入れるようになった人間である。
ゲームの主人公であるサブマは普通にチートなのだ。
別に特に覚醒イベントとかも必要とせずに、魔王にすら届きうる……魔王を超える絶対的なまでの強さを手に入れるのだ。
エルピスが魔王を取り込んで、ラスボスと化さなければ主人公一人で全クリア出来るとさえ思える。
それほどの強さを持っているのが我らがサブマである。
「次は僕の番」
僕は空間魔法を使ってサクッと下半身を吹き飛ばす。
「……ァ?」
魔族の軍団長は血を流してゆっくりと上半身を地面へと落とす。
「ほい」
流石に死なれると困るので、死なないように加工しておく。
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