第28話

「あ、ミリア。それとって」


「承知致しました」

 

 僕はミリアにお醤油をとってもらう。

 そして、お刺身にお醤油をかけて美味しく頂く。

 

 エルフの里。

 ここの料理は日本食によく似ている。エルフの里には海も川もがないけど、謎に魚がお店で売っている。

 深く考えてはいけない。

 美味しい。ただそれだけで良いだろう。 

 魚以外にもたくさんある。お味噌だったり、納豆だったり、天ぷらだったり……そして!白米だったりッ!!!

 こと、料理に関して言えばエルフの里が一番だと思う。


「んー……美味し」


「……そんなに美味しいのでしょうか?」


「うん。美味しいよ。ミリアも食べな」

 

 僕はミリアにも料理を進める。


「……なるほど……それではいただきますね」

 

 ミリアは僕の言葉に頷き、日本食を食べ始める。


「ッ!これは……美味しいですね。エルピス様が好んで食べているので、砂糖の塊、糖分の塊だと思っていましたが……全然違いますね。エルピス様が食べているとは思えないほどの繊細なお味です」


「ちょっと待って?君は一体僕のことを何だと思っているの?」


「糖分大好き偏食王です」


「……酷くない?一応僕ってば最高級店とかで食事をとったりしているんだけど……」


「……え?」

 

 僕の言葉を聞いて信じられないものを見るかのような視線をこちらへと向けてくる。


「……み、見え見えの冗談はみっともないですよ?」


「冗談じゃないよ?いっとくけどうち、金はものすごくあるからね?使える機会、場所はものすごく少ないけど。


「……信じられません」


「酷くないかなー。もう」

 

 僕は文句をぶーたれながら刺し身を口へと運ぶ。

 うん。美味しい。絶品だね。


「それで……!魔族たちはいつ現れるのだッ!」


「そもそも魔族とは何者なのだ……」


「強さは?規模は?それすらもわからぬのならば何の策も建てられないだろう!何か情報は無いのかッ!!!」


「美味しいです」


「ねー」

 

 僕は部屋の端で……対魔族対策で右往左往しているエルフたちを眺めながら優雅な食事を楽しんだ。

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