第20話
「ふわぁ……」
僕はあくびを浮かべながらエルフの里へと戻ってくる。
既にエフから邪神との戦いについての詳細は聞いた。
……まぁ、概ね僕の予想通りだった。
「よっと」
ハイエルフの空間からエルフの里へと戻ってきた僕。
「「「ははッ─────!!!」」」
そんな僕を迎え入れたのは跪いている大量のエルフたちだった。
「え??何があったの?」
僕は割とガチで困惑し、そのすぐ近くにいたアレリーナへと尋ねる。
「いや……その、だな……。エルフたちにとってハイエルフとは雲の上の存在。絶対に手の届かない神の如き存在なのだ……。そんなハイエルフたちと対等に接することが出来るは神の如き、と……」
「……」
アレリーナの言葉に僕は沈黙する。
僕は人間なんだけど……というか神扱いされるのは結構嫌なのだが。
まぁ……言ってもどうしようもなさそうだし黙っておくけど。
「申し訳ありませんでした。エルピス様」
王の衣装を纏ったエルフの女性が僕に向かって深々と頭を下げる。
「最初にあのような態度を取ってしまい……」
「いや、構わないよ?いきなり押しかけて暴れだしたこちらが悪いんだからね」
僕は王の衣装を纏ったエルフの女性の言葉に対してそう返す。
「そう言って頂き……恐悦至極に存じます」
王の衣装を纏ったエルフの女性は瞳に涙すら浮かべて僕に対して感謝を申し上げる。
……態度変わりすぎだよ……。
「……こんなふうに跪かれて、周りをうろちょろされているのも邪魔だから次はこんんな大人数で跪くことがないようにしてほしい」
僕は王の衣装を纏ったエルフの女性に対してそう話す。
「承知致しました」
「アレリーナ」
そして、王の衣装を纏ったエルフの女性が頷いたことを確認してからアレリーナの元へと顔を近づける。
「お前の家に案内して。そこにお邪魔させてもらうから」
「わかっておるのじゃ……もう既に妾の家に泊まることになるだろうと考えていたミリアがくつろいでおるしな」
「そうだな」
僕はアレリーナの案内に従い、アレリーナの家へと向かった。
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