第19話
神が齎した世界魔法。
その響きは絶望に近かった。
世界魔法はこの世界の絶対である。
上位者の戦いにとってどちらの世界魔法が強いか。
これが勝敗を決めると言っても過言ではない。
そんな世界なのだ。この世界は。
「……これじゃ……」
神という圧倒的上位種が齎した世界魔法……それに対抗する手段などハイエルフたちは知らなかった。
「……そんな死人のような顔をする必要はないよ。アレイスター家は世界魔法を完全に無効化する世界魔法持っているし」
ハイエルフに対して僕はそう話す。
「「「は?」」」
僕の言葉に対して全てのハイエルフはアホ面をさらけ出す。
ずっと沈黙を保っていたエフも同様。
「ん?んん??」
「あら?もしかして長い歴史で言葉の意味が変わった……?翻訳魔法が消えちゃったのかしら?」
「そうか……ここまでアレイスター家は知能が……」
「勝手に僕を馬鹿にするな。そもそもうちは対邪神。神を殺すための一族だぞ。世界魔法を無効化するための魔法などあって然るべきだろう」
僕の、アレイスター家の世界魔法。
代々受け継いできた世界魔法……それをちょっとだけ性質を改変させて誕生したのが『相手の世界魔法を打ち消す世界魔法』だ。
これを使えばどんな世界魔法であっても楽に突破する事が可能だ。
何も苦労することなどない。使うだけで解決することが出来る。
「なっ……!?本当にそんなことが可能なのかッ!?」
「嘘だッ!?」
「……アレイスター家ッ!?なんかとんでもない報告へと成長していないッ!?これは完全に想定外ッ!!!」
「ふふふ……」
僕はハイエルフたちに向けて不敵な笑みを返す。
「これが僕たちアレイスター家の全力、真髄だよ。……まぁ、病魔に関して言えば任せてもらって構わないよ。そんなことより、だ……。僕が聞きたかったのは邪神との戦闘がどんなものだったか聞きたいんだ。そこらへんの情報が少なくてね……」
「なるほど。そういうことか。それならばリナーシャに聞けば良い。彼女が一番詳しい」
ハイエルフの一人がエフを示してそう話す。
……なるほど。エフってリナーシャって言うんだね。
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