エロゲの竿役に転生した僕は自分が死ぬというBADENDを回避するために、ヒロインたちから全力で逃げようと思い……あれ？なんかヒロインたちとの距離近くね？

第17話

「僕がここに来た理由はもう察しているでしょ？」

「……ふむ。まぁ、な」

　僕の言葉にはハイエルフたちは頷く。

「僕が聞きたいのは邪神時代のこと……そして、今。とうとうエルフにまで手を伸ばした病魔についてだ」

「「「……ッ！？？」」」

　僕の言葉。

　極自然に告げられた僕の言葉を聞いてハイエルフたちは驚愕する。

「なんじゃと！？」

「あれがエルフにまで届いたと申すか！？」

「馬鹿なッ！？」

「嘘……そんな……」

「そこまで……」

「ありえない……！」

　ハイエルフたちは、口々にありえないと呟き続ける。

「事実だよ。どうしようもないまでの事実なんだよ。……だからこそ僕はここに来て聞きに来ているんだよ」

「ぐぬぅ……なるほど……むぅ……」

　ハイエルフたちは苦々しい表情を浮かべながらも僕の言葉に納得する。

「まさか……あの病魔が」

「そもそもの話……あの病魔は何なんだ？あまり詳しくはわかっていないんだけど……」

　病魔。

　今、話の中心となっているそれの詳細を尋ねる。

　ぼんやりとはなんとなく察しているのだけど……実際それが何なのか。細かいところまではわからない。

「あぁ……そうか。確かにまだあの時代は詳しいことまではわかっておらぬかったか……あれは簡潔に言うと世界魔法の発展系だ」

「ふむ」

　なるほど。……やっぱりそうか。

「……思ったよりも驚かないの」

「ある程度は察していた。ハイエルフ連中に病魔についての研究……並びに対悪魔の武器、道具の制作を任せたからと言ってこちらが何もしていなかったわけではない」

　かつて、世界に君臨していた邪神と悪魔。

　その邪神と悪魔と最前線で戦い、圧倒的なまでの強さを誇っていたのが当時の勇者とアレイスター家、エルフだ。

　勇者とは突然変異によって誕生する怪物。子孫にその強さが受け継がれることはない。

　邪神と悪魔を倒したと言っても完全に倒せたわけではないらしい。

　最終決戦……邪神との戦い。

　人類の希望であった勇者たちは普通に負けそうになっていたらしい。

　もうどうしようもない……と言ったところに謎の光が当たりいっぱい包みこんだらしい。

　その後、視界に光が戻ったときには邪神は居なかったというのだ。

　昔のアレイスター家とエルフはいつまた邪神と悪魔が現れても良いように準備すりょうになった。

　アレイスター家が対邪神として。

　エルフが対悪魔として。

　各々分担し、準備を進めたという記録がアレイスター家には残っている。