第11話

「何者だッ!!」


「クソッ!?」

 

「……い、一体あいつは……?」


「なんでアレリーナが……?」

 

 ゆっくりと歩いている僕の方へとエルフが集まってくる。

 そして、数多のエルフの魔法が僕の方へと飛んでくる。

 すべて僕の空間魔法によって悲しいくらいに無効化されているけど。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

 僕の隣を歩いているアレリーナは顔を手で覆い隠してブツブツと歩いていた。

 ……なんか、ごめん。


「早く出てきてくれないかなぁ……」


 エルフたちの攻撃が僕へと降り注ぐ……そんな中僕は、一人呟いた。

 僕が求めているのはハイエルフ。アレイスター家という存在を知っているハイエルフなのだ。

 エルフたちでは話にならないし、どんだけ集まってきても無意味でしかない。

 さっさとハイエルフ出てこいよぉ……。


「クソッ!?この席には王がッ!神樹がッ!」 


 このままだとなんか重要そうなところまで踏破しちゃう勢いなんだけど。

 僕がそんなことを考えながら歩いていると、実に既視感のある魔力を大量に保有している大きな木が見えてくる。

 

「止まりなさい」

 

 そのタイミングで僕の前に一人の女性が降り立つ。

 みすぼらしい格好をしているエルフたちの中で、唯一豪華な衣装を纏い、ひときわ目立つ女性だ。

 多分王様。

 ……えぇ。王の元までたどり着いちゃったの……?僕。

 こんなところまで進軍するつもりではなかったんだけど……。

 というか、その衣装の製作者、多分アレイスター家だよね?

 それに加えて神樹の製作者も、多分アレイスター家だよね?

 今ではハイエルフとなっている人たちとアレイスター家には交流があって、結界なんかを貼ってあげた……という記録が残っているけどこんなにもガッツリと交友あるの?

 エルフの重要なもの、今の所全部アレイスター家ゆかりのものじゃん。


「何の用でしょうか?異種の者よ……それとアレリーナ。あなたは裏切ったのですか?」


「ごめんなさいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!こんなはずじゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 アレリーナが王と思われる女性にスライディング土下座をかます。


「別にお前に用などない。用があるのはハイエルフの連中だ……というか、さっさとあいつら出てこいよ……」

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