第4話
「……ちゃんと頑張っていますね」
図書館で勉強をしている僕たちの元に司書の人が近づいてくる。
薄い青髪で碧眼を持っているきれいな女性だ。
「あ……えっと……あ、あ、ま、マキナさん」
現れた司書の人を前にサブマがこれ以上ないくらいにどもりながら言葉を返す。
……あれ?サブマ???
もしかして……。
「サブマくんは今日も来たのね。随分と勉強熱心ね。良いことだわ」
司書の人はサブマに対してフレンドリーに話しかける。
あっ……ふーん。
「あ、ありがとうございます……」
随分とおもしろいことになっているじゃないか。
僕はどもながら……それでも楽しそうに話しているサブマを見て内心ニヤける。まさか司書の人との恋愛イベントが起こるとは。
……ゲームのヒロインどうしたんだ……。というか、ミリアは?諦めたん?
まさかゲームでは名前も出てこなかった女性との恋愛フラグが立つとは思わなかったな。
……。
…………。
このフラグはちゃんと回収されるのだろうか?
ちょっと普通に心配なのだが……。そこはエロゲの主人公としての女くどき能力にかかっているよな。
……どもりまくっているサブマを見ていると心配にしかならないけど。
「……くだらない」
僕の隣に座っていたミリアがデレデレしているサブマに対して毒づく。
まるで恋や愛を見下すかのように。
「……ねぇ、エルピス。ここはどうやって解くの?」
「ん……?あぁ、そこは」
質問してきたラザリアに対して解説してやる。
僕は前世、家庭教師をしてお金を稼いでいた。解説には自信がある。
家庭教師をして稼いだお金でエロゲを買い漁っていたのだ。
僕は一応住んでいた過疎地のような街で一番の天才で、全国模試一位すら取ったことある。
そのため、僕の頭の良さは街ではちょっとだけ有名だったのだ。
高校生でしかない僕に結構なお金を積んで家庭教師を頼んでくる
テスト対策のノートなんかも売って貪欲にお金を稼いでいたし。
エロゲは高いのだ。買い漁るには地道な集金が必要となってくるのだ。まったく……もっとエロゲには優しく、未成年にも優しくなってもらいものだ。
未成年が買って良いものではないけど。
「ありがと……」
まぁ、ラザリアも僕の周りを嗅ぎ回っているし、アレイスター家の違和感にも気づいたのだろう。
それになんかマルジェリアとも仲直りしたみたいだし……ちょっとだけ対応が丸くなってきている。
まぁ、本人のプライドからかそんな実際に口に出してそういうアピールはしてこないし、未だに毒づかれるのだけど。
思春期特有のこじらせだと思えば、笑って流せる。
……リーリエ。キャサリン。
図書館でも喧嘩するの辞めない?迷惑だよ?普通に。
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