第33話
「まぁ……僕が理不尽なのはずっとそうでしょ?」
「いや、そうだけどさ……。私が必死こいて戦っているのを見ながら何を思っていたのよ……徒労じゃない……なんか昔もこんなことあったわね!前も同じような目にあったわね!!!」
「えー。あの時と一緒にされるのは憤慨だよ?君の宿敵は悪魔でしょ?わざわざ獲物を渡してあげたんじゃん。それに以前のは何の意味もなかったけど、今回のは意味があったでしょ?」
何もなんとなくで僕がアルミスと悪魔の戦いを眺めていたわけではない。
「アルミスは悪魔との戦いの経験が詰めるし、僕は実際にアルミスの強さを知ることが出来るしね」
「言っていることは怖いぐらい真面目なのよ。びっくりするくらいまともなことを話しているのよ……でも以前のが何の意味もなかったってことに驚愕しているのよ。あんなに一生懸命頑張ったのに……何の意味もなかったんだ……必死にすべての問題に対して真摯に向き合ったのに……」
僕の言葉に対して、昔のことを引きずって文句を言ってくる。
「いやぁ……真摯に向き合ってくれたのは嬉しいけど、何の意味もないよ。あの問題は直感で解くような問題だし。真摯に一生懸命頑張っていてくれていたみたいだけど……わからない問題に悩むのは無駄でしか無いね」
結局あの機転力を図るテスト。
一生懸命頑張って作ったのに最後の方どころか半分にまで到達した人ですら極少数だからね。ほとんどが無駄になってしまった。
あのテストが後世にまで残されてそこで約に立ってくれることを願う。
フェルマーの最終定理のように何百年とこの問題の答えは何なのかとか数多の科学者、数学者、哲学者たちが挑んで、議論してくれたりしてくれると嬉しい。
機転の最後の方の問題とか、若干相対性理論とか入ってくるし。
「そんなに言い切る?」
「おん。僕がアルミスにやらせたのは無駄だよ無駄。時間の無駄だね」
「ひどい!!!」
「へっ」
頬をふくらませるアルミスに対して僕は鼻で笑ってあげる。
「もう!私はあなたにとって何なのよぉ……」
アルミスは僕の方へとジト目を向けてきながら不満げにしている。
「おもちゃ?」
「ひどいッ!!!」
「さて……こんな話はどうでも良くて」
「どうでもいいッ!?」
「……さっさと馬車の方に戻るよ。その姿のままで良いの?結界を解除するけど」
「あっ!駄目ね……ちょっと待って」
アルミスが天使状態から男の状態へと戻る。
「これで良いわ……んん!これで大丈夫だぞ?」
「おっけー」
僕はアルミスのその言葉を聞いてここら一帯を隔離している空間魔法を解除した。
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