第30話
「え?ちょ?……は?」
二柱目という驚愕の真実を前にアルミスが困惑の表情を浮かべる。
見た感じ悪魔とアルミスの実力差は同じくらいだと思われる。
二柱目は流石にきついだろう。
「安心してよ。こっちの方は僕が請け負ってあげるから。君は気兼ねなくそっちのと戦っていてよ」
僕は宝玉に魔力を込めて地面へと投げる。
「は?」
それに対して大きな疑問の声を上げる。一体何をやっているのだ?こいつは……という視線を向けてくる。
いや、僕からして見れば敵である悪魔を前に平然としている君のほうがなんだこいつ?何だけどね。
「ァ……ァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
同じように真っ黒な魔力を吹き出して姿を表す圧倒的な存在感を持って顕現する悪魔。
見た目は少しだけさっき開放された悪魔と違うけど、大体は同じである。
「な、何をやっているの!?」
「それはこっちのセリフだよ?君は目の前の悪魔に集中していなよ。僕は僕でさっさとこいつを抑えておくからさ」
僕は姿を表した悪魔を空間魔法で吹き飛ばす。
空間を捻じ曲げての殺し。僕が最も得意な方法で悪魔を血溜まりへと変える。
……まぁ、すぐに再生しちゃうんだけどね。
人間に悪魔は殺せないから。
「……悪魔を平然と抑え込めるあなたが不思議でしかたないけど……まぁ、あなたですものね。そっちは任せるわよ。だから、こっちは任せてちょうだい。殺しきってすぐに助けに行ってあげるから」
「おう。待っている」
アルミスは律儀に待っていてくれた悪魔の方へと視線を向けて、臨戦態勢に入った。
「さて、と」
僕はアルミスから視線を外して、サクッと復活した悪魔へと視線を向ける。
今度はどうやって殺そうか。
僕の殺しのレパトリーは尽きない。
自分の空間へと引きずり込んでからの凍死、焼死、圧死、溺死、窒息死……空間内ではどんなことでも可能だ。
空間内の事象、法則はすべて僕の思いのまま。
平均温度を14溝2千穣℃にしてみたり、マイナス273℃にしてみたりすることも可能なのである。
重力を100万倍にしてみたり、無重力にしてみたり、空気を無くしてみたり、逆に酸素だけにしてみたり。
なんでもありだ。
マルジェリアみたいにそもそも自分の空間内に引きずり込めない相手には使えない魔法だけど……引き込める相手であれば無類の強さを発揮する。
……あれ?殺しのレパトリーは尽きないって言っているけど使っている魔法一つじゃね?
まぁ、いいや。
「せっかくだ。悪魔がどうやったら死ぬのか。実験させてもらうよ?」
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