第14話

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


「うるせぇ」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


「はぁー」

 

 僕は深々とため息をつく。

 ……うるさい。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」

 

 散々と発散したことによって、正気を取り戻したキャサリンはこれ以上無いくらいの発狂具合を見せていた。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


 その発狂ぶりはとてもとてもうるさい……近所迷惑だよ。……近所に家なんて無いけどさ。

 

「うぅ……」

 

 ひとしきり叫んだ後、キャサリンはその真っ赤な顔を布団で隠す。


「もうやだぁ……」


 やっと叫ぶのを止めてくれた。


「……私、もうエルピスくん以外じゃ満足出来ない体になっちゃった……責任、とってよね?」


「おう……それでなんけどさ。生徒会の元に依頼が来て」


「それだけ!?」

 

 頷いた僕に対してキャサリンが吠える。


「私史上……一番ッ!!!の勇気を出して言った言葉に対する返答がそれぇ!?」


「おう。……まぁ、別に抱いた相手はお前だけじゃないしな」


「酷いッ!?扱いがひどすぎる!?ヤリチンに初めてを奪われたァ!?」

 

 凄まじい英才教育を受けてきた僕に普通の貞操観念が残っていると思うなよ?悪いけど僕は自分にとって特別な、大切な人間を増やすつもりはない。

 僕にとって他人は……人はでありでしかない。


「うぅぅぅぅぅ」


「そんなことはどうでもいいんだよ?」


「そんなことぉ!?もぉー!!!酷いんだけど!!!」

 

 キャサリンはぷりぷりと怒る……ちょっとおもしろいな。


「全く!!!その代わりちゃんと私を一人の女の子として特別扱いしてよね?それくらいはして!!!」


「嫌だよ?」


「なんでよぉー!!!」

 

 あっさりと断った僕に怒りを顕にする。


「もう!良いから!絶対に私を特別扱いさせてあげるから覚悟しておくことねッ!!!」

 

 キャサリンは僕の方を指差し、意気揚々と宣言した。


「おう」


 それにたいして僕が返すのは軽い言葉だ。


「軽いッ!!!」


「それでだけど、生徒会の依頼についての話だ。手伝ってくれん?暇だろ?どうせ」


 僕は絶叫するキャサリンを無視して入りたかった本題に入る。 


「良いわよ。それがエルピスくんのためになるのであればやるわよ……どうせ暇だしね!ふんす!!!」

 

 キャサリンは僕の言葉に鼻息荒く頷いた。

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