第8話

 アルミスが自分を苦労人キャラだと認識していなかった、という驚きの事態がありつつも僕は依頼人の元へと向かっていた。


「失礼するぞ」


「お、おい!?」 


 僕は依頼人がいるという部屋に不遜な態度で中へと入っていく。

 中にいるのは生徒会長と依頼人と思われる女性。何故かは知らないけど二人共立っている。

 薄い青髪で碧眼を持っている女性であり、僕が生きてきた人生の中で一番背の大きな女性だ。

 ……いや、本当にデカいな。

 その身長の一部を僕へと分けてくれないだろうか?切実に。本当に切実に。いや、今更体が伸びられても困るんだけどね?色々なものが狂うことになってしまうから。

 デカいの身長だけじゃない。胸も異常なまでにデカい。そして、胸だけじゃなくて尻や足も。

 全体的にムッチリとしていてとてもエロい女性だ。抱いたらさぞかし気持ちよさそうな女性だ。


「それで?なんで立っているんだ?」

 

 僕はみんな立っている中、一人だけ椅子に座って尋ねる。


「あぁ……挨拶する時は互いに立って挨拶して握手するのが良いだろう?」


「ほう……」

 

 僕は生徒会長の言葉に頷く。


「そうかそうか。僕はエルピスだ。好きに呼べ」

 

 僕は座ったまま自己紹介を行い、右手を上げる。


「……よろしくおねがいします」

 

 依頼人と思われる女性は僕の方へとすっと手を差し伸べてきてしっかりと握手を交わした。

 ……普通に届くんだな。

 本当にデカいな……。


「……ははは。すまないな。こういう子なんだ」

 

 それに対して生徒会長が苦笑して答える。


「いえ……貴族様に差別意識があるというのは聞いている話ですから」


「こいつが差別主義者だったらどれほど楽だったか……なんでこいつは全人類に対して同じ態度なんだ……演技していないときも普通に傲慢だし」

 

 僕の後ろに立ったアルミスが僕にしか聞こえない声量でボソリと呟く。僕は無視した。


「別に僕は差別主義者じゃない。相手が国王であってもこの態度だ。気にすることはない。それで?依頼は?」


「あっ……はい。……え?三人で全員でしょうか?」


「今は夏休み中だ。ほとんどの人が実家帰り中。いるのは三人だけだ。まぁ、全員精鋭中の精鋭だ。お前が不安視する必要もない」


「あっ……そうですか」

 

 僕の言葉に依頼人は頷く。


「えっと。それでは依頼の方を話させてもらいますね?」


「あぁ。よろしく頼む」

 

 最後に生徒会長が存在感を主張してきた。

 いや、まぁ僕が存在感を主張している方がおかしいんだけど。



 あとがき。

 作者はスレンダーな女性よりもムッチリとしたぽっちゃりとした女性が癖です。小学生の頃からの癖です。

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