エロゲの竿役に転生した僕は自分が死ぬというBADENDを回避するために、ヒロインたちから全力で逃げようと思い……あれ？なんかヒロインたちとの距離近くね？

第36話

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ！！！」

「やぁッ！」　

　僕に向かってサブマとキャサリンが向かってくる。

　二人の手には剣が握られている。

「ふわぁー」

　それに対して僕はあくびを浮かべながら回避していく。

　二人の剣は僕に一切当たらない。

「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええ！！！」

　響き渡るラザリアの声。　

「魔法を使う際に大きな声を上げるな。目立つ」

　それに対して僕は冷静に返し、殺意満々の風魔法に向かって僅かな魔力を流すことで魔法を乱し、無効化する。

　ラザリアもまだまだだな。魔力を流された程度で魔法を乱されるようだと。

「隠れ蓑にするにしても露骨すぎ」

　ラザリアの魔法と共に僕に向かって突撃してきていたミリアを叩き潰す。

　ミリアは苦し紛れに毒が塗られたナイフを投げてくるが……そんなものが僕に当たるはずもない。

　容易く避ける。

「シッ！！！」

　ナイフを避けた僕に追い打ちをかけるかのように剣を振るってくるサブマ……そしてサブマの攻撃を避けられないよう退路を防ぐかのようにキャサリンが剣を振るってくる。

「避けるだけが回避方法じゃないよ？」

　僕はサブマの片足を蹴り飛ばし、バランスを崩させる。

　そして、サブマはそのまま倒れてしまう。

「ッ！？」

「油断しすぎ、もっとしっかり立て……キャサリンもね」

「キャッ」　

　崩れていくサブマを横目に僕はキャサリンの腹に向かって掌底打ちを叩き込む。

　掌底打ちを叩き込まれたキャサリンはあっさりと意識を飛ばした。

「ほっと」

　ミリア、サブマ、キャサリンを地面へと叩き潰した後、今度はラザリアの方へと距離を詰める。

「くっ！」

　それに対抗しようとラザリアは僕に向かって無詠唱で魔法を連発する。

　だが、そんなもの僕には関係ない。防御する必要もない。

「どーん」　

　普通に風魔法の中突っ切り、ラザリアの顔面を蹴り飛ばした。

　ラザリアは吹き飛ばされ、意識を失う。

「起きあがるのがおそーい」

　唯一気絶していなかったサブマ。

　慌てて起き上がったサブマに向けて石を蹴り飛ばす。

「あぐっ」

　脳天に石をぶつけられたサブマはそのまま意識を手放した。

　……あぁ、石が破裂しちゃった。

「んじゃ最後だね」

　僕はただ一人残されたリーリエへと視線を向ける。

「ふたりきりですね！」

　嬉しそうに告げるリーリエ。

「……お前は何を言っていほっ！？」

　僕は上から振ってきた謎の剣を慌てて回避する。

「あぁ！？」

　あっさりと回避した僕を見てリーリエは残念そうな声を上げた。