第34話

「ふぅむ……」

 

 僕は家から外れた森の中を少し散策する。

 ……レークンローの茶葉は、魔界の生物だ。

 決して人間界の生物ではない。かつて魔界に迷い込んだ冒険者である男がこの茶葉を持ち帰り、人間界での栽培を行った。

 特殊な環境でのみ育った茶葉。ごく限られた場所で育てられた実に希少な茶葉。

 それが今人間界に出回っているレークンローの茶葉なのだ。

 決して……普通の場所で出回るところじゃない。


「……ここか」

 

 僕はミリアから聞き出した場所にたどり着き、辺りを見渡す。


「あぁー」

 

 そして僕は言葉を吐き出す。

 うーん。

 僕はどうしようか一人、悩む。

 こんなことになったのは僕が来たからであろう。

 ……ふー。うし。

 自分がどう動く、どう動くのが最も採算の取れる行動になるかを考え……僕は結論に至った。


「帰ろ」


 放置!

 これだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る