第33話
「エルピス様、お茶にございます」
「うむ」
僕はミリアが淹れたお茶を僕は口に含む。
「良し!いいぞ!行ける!もっとだ!頑張れ!お前なら出来る!」
「はい!」
そして、外で必死に筋力トレーニングをしているサブマとキャサリンを眺める。
……サブマ、脳筋過ぎないか?
キャサリンは今。筋肉関連をサブマに、魔力関連をラザリアに教えてもらいながらリハビリを続けていた。
「どうでしょう?……ここらへんに生えていた面白い茶葉を使ってみたのですが……」
「……これは、レークンローの茶葉か。こんな珍しいものが生えていたのか」
「はい。ここらへんは植物の宝庫ですよ」
ふむ……。
僕はミリアの言葉を聞いて思考を巡らせる。
うーん。これは……面倒事になる気がする……。僕が動いたの不味かったかも。
「それで、どうでしょうか?」
「あぁ、実に美味であるぞ。褒めてやろう」
「ありがとうございます」
僕の言葉を聞いてミリアが恭しく頭を下げた。
「……うーん。まだ足りないわね」
「そうですね……もう少しだけ魔力を込めてみたらどうでしょうか?」
「いや……それだと魔法が崩れちゃうのよね」
ラザリアとリーリエは魔法の研究を行っていた。
僕に対抗できるような魔法……そんな魔法を生み出すべくラザリアは魔法の研究に精を出しているのだ。
……まぁ、僕に対抗出来るような魔法なんてラザリア程度には使えないと思うが。
それくらいラザリアにもわかっているだろう。
「そろそろお昼にしないかしら」
キッチンに立っていたキャシーさんがみんなに告げる。
「私は後でいいわ。その男と一緒に食べたくはないもの」
それに対してラザリアはあいも変わらず僕への敵愾心マックスな言葉を告げる。
「む?それならば気にしなくとも良いぞ。僕は今、食べないからな。少し野暮用が出来たのでしばし離れる」
それに対して僕は口を開く。
「あら?そうなの……あなたの分も作っちゃったのだけど……」
「む……そうか?食材を無駄にするのは頂けないな。……ミリア。僕の代わりに僕の分も食べろ」
「承知致しました」
僕の言葉にミリアは頷く。
「ミリア……僕が帰ってきた時のためのパンケーキを用意していてくれ。今日はパンケーキが食べたい気分だ」
「承知致しました。この世界で最も豪華で美味なパンケーキを作ってお待ちしています」
「うむ。任せた。それでは行ってくる」
「いってらっしゃいませ」
僕にお見送りの言葉を聞いて、空間魔法を発動し家から出る。
「いって」
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