第27話

「おう。そうか。……じゃあさっさと行けるようにしてくれ」


「……お、驚かないんだね?」

 

 淡々と告げられた僕の言葉にサブマは少し驚く。


「どうせわかっているのよ。性格の悪い……この程度の結界、こいつに見破れないはずがないわ……おかあ、あの女と対等にやり合った男よ?」


「まぁ、ラザリアの言うとおりだな。この程度の結界別に見破れるし、別に簡単に壊すことだって出来るぞ?」

 

 依頼人が住んでいる家。

 そこには家が外から認識できないように、認識阻害結界という魔法が使われているのだ。

 そのせいでミリアなど、他の人は目の前に建てられている家を正常に認識出来ないのだ。

 まぁ、僕はこんな認識阻害結界くらい見破れるし、何だったらゲームの知識として既に理解している。

 認識阻害結界くらい見破れないと暗殺なんて出来ないからね。基本的に要人はこういう認識を阻害してくる強力な魔法を使って対応してくるから。


 当然ミリアのターゲットである上位の王侯貴族たちも認識を阻害してくる魔法を使用する。

 ちゃんとミリアも看破出来るように鍛えてあげないといけない。

 ミリアを一本の刃にまで育てるのには……まだまだ時間が足りていない。


「だが、壊さないほうが良いだろう?」


「あ、あぁ……そうだな」

 

 僕の言葉にサブマは頷く。


「ほら。さっさと中に入れてくれ」


「わかった」

 

 サブマは頷き、小さなポーチから鈴を取り出す。

 

 チリンチリン

 

 サブマはその鈴を鳴らし、その音色がこの場に響き渡る。


「はーい」

 

 空間が歪み、木々が消える。

 その代わりに姿を現したのは一つの小さな小屋。


「あら!サブマちゃん!」

 

 そして、一人の女性であった。




 あとがき

 なんか批判的なレビューも書かれるんだけど、それが消えるのなんでか分かる人いる?

 別に僕消していないんだけど……本人が消しているの?わざわざ。

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