第19話

「おい。ちょっと待てよ」

 

 僕が食堂を出たタイミングで良くわからない人たちに絡まれる。


「……ァ?」

 

 僕の周りを囲むように立っている複数人の男たち。

 全員僕と同じ学年、一年生の生徒たちだ。


「お前……リーリエさんたちに迷惑をかけるのはもうやめろよ!」


「わからないのか?リーリエさんたちだって迷惑にしてんだろ!それくらい気付けよ!」


 ……一体こいつらには何が見えているのだろうか?

 迷惑かけられているのはこちらなのだが……?


「邪魔だ」

 

 僕は目の前に立ち、進路を妨害してくる奴へと足を伸ばし……蹴り飛ばす。

 男はいとも簡単に吹き飛んでいく。僕の攻撃に耐えられるほど男たちは強くない……一応死なない程度には手加減したつもりである。

 

「なっ!お前……!」

 

 他の男たちは皆僕に対して敵意剥き出しでにらみつけてくる。


「ラァ!!!」

 

 そしてそのまま流れるように僕へと攻撃を向けてくる。


「うぜぇ」

 

 風が吹き、骨の折れる音が響き、汚ないうめき声が響く。


「ふー」

 

 転がっているのは気絶していた男たち。

 僕の方へと向かってきていた、ゆっくりと向かってきていた男たちは僕の攻撃をそのまま避けることも出来ずにダイレクトで受け、意識を刈り取られたのだ。

 

 殺しはしていないが……まぁ後1,2時間は目を覚まさないであろう。

 

「あぁー。だっる」

 

 僕に向けられる敵意の視線、恐怖の視線……向けられる視線に好意的なものは何もない。


「……二度と僕の前に立つな。立てば潰す」

 

 魔力を漂わせながら僕はそう告げ、歩き始める。

 生徒たちが壁に寄り、僕に道を開ける。

 僕は堂々と道の中心を歩いていた。


 ……リーリエたちと関わるようになってから敵意の視線が増えた。今までの、落ちこぼれのアレイスター家だと嘲笑する視線が無くなった分、敵意の視線が二倍、三倍くらいになっている。

 別に向けられうことくらい構わないが、こうして実際に絡まれるのは面倒だ。


「ふわぁー」

 

 僕は生徒会室の方へと向かっていた。

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