第16話
リーリエが僕のために選んできた食事。
それはローストビーフ丼だった。きれいなお肉、その上に乗せられた新鮮な生卵。その上からかけられたソース。
確か、この食堂で一番高いメニューのはずである。
この世界にはお米が存在している。
流通量はさほど多くないのだけど……この世界には魔法による冷凍が可能であり、魔法によって長距離の移動も可能である。
そのため、地球の中世よりも食文化がよほど栄えていた。
「どうですか?私のチョイス」
「ん?良いと思うぞ?僕は丼もの好きだからね」
「えへへ……それなら良かったです!」
僕の言葉にリーリエは満面の笑みを浮かべた。
ちなみにだが、リーリエはパスタ。多分カルボナーラ。
サブマはラーメンだった。
……この世界、ラーメンまであるのかよ……。いくらなんでも食文化進みすぎだろ。
エロゲしているときはサラッとしか触れられていないし、こんなところに大して気にしていないし……全然違和感とかも覚えなかったが。
実際にこうして前にしてみるとかなり違和感は大きいな……。
あ、後。
ラザリアの昼食はラザ二アだった。
喋らないので、僕を睨みつけながら僕のことを親の仇でも見るような目で見つめてきているね!
あは!実に面白い!
「いただきます」
僕は箸を手に取り、口に食べ物を含んでいく。
うん。美味しい。
「そのはし、っていう道具。上手く使えるんですね」
「まぁな」
僕はリーリエの言葉に頷く。
箸を使うのはとある極東の島国だけ。
お米が食べられているのは極東の島国だけであり、そのお米の食べ物には箸をつけてもらえるのだ。
まぁ、誰も使えないんだけど。
極東の島国……普通に日本だよね。
この世界の地図は、地球の地図と似ている感じだ。なんかインドがなかったり、アフリカがクソデカかったり。違いも多いのだけど。
というか、箸を使うのは島国だけかよ。東の大国は?半島は?その他諸々は何処へ?
ちなみにラーメンも日本の料理ではあるけど、この世界だと箸ではなくフォークで食べられている。
おそらくラーメンは日本料理ではなく、この世界の料理となっているのだろう。
視線をサブマの方へと向け、一人思う。よくもまぁ、フォークでラーメンを食べられるよね。
僕はそんなことを考えながら昼食を食べ進めた。
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