第15話

「よぉ」

 

 僕は食堂で食事を取っていたサブマとリーリエ……そしてラザリアに声をかける。


「ゲェ!なんであなたがァ!」

 

 ラザリアが僕を見て、大きな声を上げる。


「うるせぇ」

 

 僕はラザリアの喉を一時的に封印し、強制的に黙らせる。

 既に僕は封印魔法をマスターしていた。


「何の用!?」

 

 リーリエが僕の方へと身をより出し、目を輝かせながら告げる。


「いや!それよりも前に椅子に座ってもらわないとですよね!どうぞ!」

 

 リーリエは自分の椅子を示す。


「別に僕は食事を取りに来たわけではない」

 

「えー!何でですか!一緒に食べましょうよ!お昼ごはんはもう食べていますか?」


「いや、まだだが」


「じゃあ良いじゃないですか!食べましょ食べましょ!」


「ちっ……仕方ねぇな」

 

 僕は舌打ちを1つつき、椅子の方へと転移する。


「良いだろう。共に飯を食べてやる。感謝しろ。その代わり僕の分をお前が買って来い。もちろんお前の金でだ」


「わかりましたー!」

 

 リーリエは元気よく立ち上がり、食券が売られている方へと向かっていく。

 ここの食堂の仕組みは食券を買って、キッチンのおばちゃんたちに頼んでいくスタイルとなる。

 食券売りは全自動だ。食券機と同じような機能を持っている魔道具が作られていて、それが使われている。


 魔道具のおかげでこの世界は案外便利道具などが広まっているのだ。まだスマホのような精密機器のようなものは出来ていないが……いずれ作るつもりである。

 既に遠くの人間との連絡を取れる通信機と同じ役割を持っている魔道具ならすぐに作ってある。

 ちなみにだが、食券を売っている魔道具の形は……個性的で未来的だった。


「何の気まぐれ?普段エルピスは食堂でご飯なんて食べないよね?いつも生徒会室から全然でてこないのに……」


「あ?……用もなきゃこんなところになんて来ないよ」


「用?」


「おう。ほら。何日か前に魔力排出症の特効薬となる薬を探していた、って言っていただろう?」


「うん……ってまさか!?」

 

 サブマが驚愕に眼を見張る。


「持ってきたぞ」

 

 僕は空間魔法で仕舞っていた小さな瓶を取り出し、机の上に乗せる。


「既に加工済みでこれを飲ませれば治るよ」


「本当か!?」

 

 それを聞いたサブマが僕の方に身を寄り出してくる。


「持ってきました!」

 

 それと同時にリーリエが僕たちの方に戻ってくる。


「話は後だな。先に飯だ」


「いや!だが!……」


「うるせぇ。飯だって言ってんだろ」


「ちぇー」

 

 僕の言葉にサブマが不満げに頷く。


「……あれ?私タイミング悪かったですか?」

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