第12話
「それで?もう一度聞くが、調べ物はどうだったんだ?あまり芳しくなさそうだけど……」
僕はの方へとサブマへの視線を向け、尋ねる。
「ん?……あぁ、そうだな……駄目だったよ」
サブマは苦虫をダース単位で噛み潰したような表情を浮かべて僕に告げる。
「あ、そう?」
「あぁ。俺が知りたかったのはとある薬を作るのに必要な薬草についてだったのだが……良い情報を見つけることが出来なくてな……」
サブマは口惜しそうに告げる。
「とある薬?それは何だ?」
「……魔力排出症という特殊な病を治すための薬だ……それには魔天草という特殊なものが必要らしいのだが……」
「あぁ」
僕はサブマの言葉を聞いて頷く。
なるほど。今はそのサブクエスト受けているのか。
魔力排出症。
何もしていないのに魔力を勝手に放出してしまうという結構マイナーな病だ。その治癒方法は無いと一般的には言われている。
そんな魔力排出症に唯一効く薬草が魔天草だったはずだ。
確かゲームでもこんな感じのサブクエストがあったはずだ。
図書館で情報を集めているということはあのサブクエストの初期だろう。
……あのサブクエスト、長いんだよな。魔天草を手に入れるためによくわからない栽培方法を行って、長い時間をかけて育てていくし。
短縮させてしまうか。
このサブクエストに重要な話も、成長ポイントも出てこないしね。
「確か、マルジェリアの書庫にそれらしいものの記載がされている本があったはずだぞ……後で僕が探しておこう」
魔天草に関する記述がある本がアレイスター家の書庫に置かれていたはずだ。
……使い物にならないからすっかり詳細について忘れていたが……確かすごく簡単に手に入れる方法が書かれていたはずである。
「本当か!?それはありがたい!」
「あぁ、魔天草については任せるが良い」
僕はサブマの言葉に力強く頷いた。
……なぁ、ミリア。
そんなに意外そうな視線を僕に向けてくるなよ。殺すよ?
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