第4話

 アルミスとサブマの戦い。

 それは一瞬で決着がついた。

 アルミスお得意の幻術をサブマは無効化し、その勢いのままサブマがアルミスへと突撃。

 どんな種類の魔法でも平然と使いこなし、高いレベルの剣術を修めたサブマを前にアルミスは呆気なく敗北。

 特に面白いこともなく終わった。


「いやいや!意味わからん!強すぎだろ!?あれだけ強ければ一ヶ月前に俺らが助けに入る必要がなかったじゃねぇか!?」

 

 呆気なく敗北したアルミスが不満を口にする。

 まぁ、その感想が出てきて当然だろう。僕だってゲームしているときに思ったもん。

 

「いや、あれが強くなったのはあの一件からだよ。それまではクソザコナメクジだったよ」


「はぁ!?」

 

 僕の言葉にアルミスが驚愕する。


「は!?ほっ?へ?……え?じゃあ俺はたった一ヶ月鍛えただけの奴に負けたのか?」


「うん」


「ざっけんな!この世は理不尽だッ!」

 

 僕の言葉にアルミスはこの世の理不尽さに嘆く。


「こんなに強いなら最初から鍛えておけよ!」


「いや、あれってばヘタレで、幼少期だと剣すら握れなくて全然鍛えて来なかったらしい。魔法を使うのもあまり好きではなかったようで……流石に入学試験のときくらいには剣を握ることくらいは出来るようになったが、それでも一切鍛えていないからね。これっぽちも鍛えていないような状態で挑んだ入学試験でいい成績を修め、Aクラスに配属されたのがあれだ」


「んな馬鹿な……」

 

 アルミスの疲れ果てたような一言がすべてを物語っている。 

 んな馬鹿な……これが真だ。

 僕だってゲームしているときにそう思ったもん。

 んな馬鹿な、と。

 これがチート系主人公か……って悟ったよね。


「結局この世の中才能なんだなぁ。……エルピスだってただの努力じゃ絶対に辿り着けない極地に立っているしな……」

 

 僕と同じ訓練をアレイスター家以外の人間が受けたからと言って、僕のように強くなれるわけじゃないからね。多分100分の1にも満たないだろう。

 まぁ、とはいえ僕がした訓練をアレイスター家以外の人間がやったら破滅するだろうけど。


「まぁ、そりゃそうだよ。努力しなきゃ報われる可能性すら生まれないけど、努力したからと言って必ず報われるわけじゃないからね」


「はぁー。結局才能なんだぁ……ここでも」

 

 アルミスがしみじみと呟いた。

 

「ちゃんと見てくれていましたか?」


 僕とアルミスが雑談していたところに、リーリエを引き連れたサブマがやってきた。

 ……はぁー。嫌だなぁ。対応するの。



 あとがき 

 内容をちょっとだけ変えた。

 具体的には生徒会面々の名前を変更した。名前はメモの方で確認してほしい。

 後、第一章でアルミスがアレイスター家が暗殺家であることを知っているのにも関わらず、第二章ではそれを知らないことになっていたから、そこらへんを修正した。

 名前の勝手な変更と、矛盾点の存在していたこと、お詫び申し上げます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る