第32話

「んっ……ちゅ」

 

「ちゅ……」


 むせ返るような熱気の中、僕はベッドの上でエウリアを抱く。


「ふー。今日も凄かったわ」


「ふふふ」

 

 数刻の間、楽しんだ僕とエウリアは裸のままベッドの上に転がる。

 今。僕とエウリアがいるのは僕の部屋。マルジェリアの家の僕の部屋にエウリアを招待していた。


「学院生活は楽しいかしら?」


「うん。楽しいよ」

 

 エウリアの疑問に僕は笑顔で答える。

 たくさんのおもちゃが学院には居るので、結構楽しんでいる。


「ふふふ。それなら良かったわ。最近私はね。他の男とヤッても気持ちよくないのよね……」


「当然。僕はすごいからね」


「本当にすごいわよ。14歳とはとても思えないわ……やっぱり貴族ってすごいのね」


「いや、まぁ。僕の家がちょっと特殊だからってのもあるけど」


「あら?そうなのかしら」


「うん。うまくなるための性教育を受けているのは多分僕くらいだよ」


「あら、すごいのね」


「ちょっとだけ特殊な家なんだよね」

 

「へぇー。そうなの」

 

 僕はベッドの上でダラダラと雑談を続ける。

 そして、話題はいつの間にか最近できたの話へと移っていた。


「魔法が使われているのか、文字が読めなくても理解出来るようになっているのよ。そのおかげでただの平民も読むことが出来るの。今、市民の間で急速に広がっているのよ。娼館でも新聞を持っている人をよく見るわ」


「へぇー」

 

 僕はエウリアの言葉に頷く。


「貴族たちの間には新聞なんて流行ってないなぁー。まぁ、とはいえ貴族たちは例え男爵であっても独自の情報網を構築し、持っているから必要ないような気もするけどね」


「やっぱり貴族ってすごいのね……独自の情報網なんてあるのね」


「まぁ、情報は大切だからね……貴族たちが最も恐れなきゃいけないのは無知だよ」


「へぇー。そうなの……貴族も貴族で大変なのね」


「まぁ、そうだね。とはいえ、平民たちのように生活に困ることはないから、全然楽だとは思うけどね。気を使ったり、責任が重かったり、自由があまりなかったり、仕事が多くて寝れなかったり、と。貴族には貴族なりの苦労があるけど、平民ほどじゃないと思うよ。」 

 

 明日食べるご飯もないような人とかだって居るのだ。そんななかで贅沢をして過ごすことの出来る貴族が少しの制約ぐらいでぶーたれては行けないだろう。


「寝れないほどの仕事の量なのかしら?」


「まぁ、そうだね。領全体からの要望、陳情に目を通すわけだからね……」


「大変なのね。貴族も」

 

 僕の言葉にエウリアがそう告げた。

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