第31話

「んー。はぁー。よし。IMSを図りに行こうか」

 

 僕は生徒会長へとそう告げる。


「そうね」

 

 生徒会長は僕の言葉に対して頷く。

 そろそろ動いたほうが良いだろう。もうすぐ最終下校の時間となってしまう。

 今日中に全部終わらせるつもりはないが、明日には全て終わらせておきたい。なので、今日のうちから出来るだけ多くの生徒のIMSを図っておきたい。


「……おう。行って来い」

 

「いってらっしゃいませ」

 

 アルミスもミリアも僕と生徒会長に声をかけてくれる。


「じゃあ、行くか」

 

「よし!ちゃんと役に立つというところを見せるかな!」


 僕は生徒会室の扉を開け、二人で外へと出た。

 ……生徒会室に残っているメンバーはアルミスとミリア。あの二人は二人っきりでどんなことを話すのだろうか。

 ちょっとだけ気になるな。


 ■■■■■

 

 それから。

 僕と生徒会長は全校生徒のIMSを図っていった。


 途中でちょいちょい『お前のようなクズが生徒会長様の隣に立つな!』的な感じのノリで絡まれて、煽り散らかしてフルボッコにして屈辱の限りを負わせてやったり、と。

 まぁ、色々と面倒なトラブルとかはあったけど、致命的なトラブルはなくIMSを図り終えたので良かったと思っている。


 途中で暇そうにしていたマルジェリアとかも巻き込んで急ぎ足で進めていった。 

 あれは曲がりなりにも教育者であり、生きる伝説。

 僕のように目利きが歪んでいるわけでも、生徒会長のように目利きが未熟なわけでもないので、マルジェリアは完璧な仕事をこなしてくれた。

 流石はマルジェリアと言ったところだろう。


 ちなみに最初の方はマルジェリアに遠慮を抱いていた生徒会長だが、僕からされている扱いを見て、いつの間にか同志とか呼んでいた。

 共産主義かな?

 

 僕と生徒会長。ついでにマルジェリアはなんとか二日で全校生徒の戦闘力のIMSを図り終えた。


 後は僕と生徒会長ではなく、他の生徒会メンバーの仕事となる。

 集めた紙を集計し、実際の総合を出すのは生徒会メンバーとなっている。

 総合をどう出せばいいか。

 Sは6点。Aは5点。Bは4点……これを全部足して、割り算して。総合の数が5.5~6.0のときはS。4.5~5.4のときはA。3.5~4.4のときはB。

 などと言った感じで、しっかりと基準を作っているので総合を出すのは数字と簡単な足し算割り算が出来れば可能だ。

 なので、生徒会メンバーに丸投げしても何も問題はない。


 これでようやく僕の仕事は終わりを迎えたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る