第12話
「どうぞ」
「ふむ。ありがとう」
僕はミリアからパフェを頂く。
マルジェリアのお金で数多の高級食材を使っているので実に美味しい。ミリアの腕も良いしね。
僕がマルジェリアの家に来てから早一週間。僕は早々にこの家での生活に慣れていた。
「……増えているし」
メインルームの方に降りてきたラザリアがミリアを見てポツリと呟く。
ラザリアも僕を見てすぐに発狂するようなこともなくなった。
「お邪魔させていただいています」
ミリアがラザリアへと頭を下げる。
「……あなたもそんなクズに
「確かにエルピス様はクズですが」
おい。クズを否定しろよ。
「私にとってクズに仕えることが必要なことなんです」
「……必要?クズに仕えることが?……何か脅されているの?」
「いいえ。そんなことはありませんよ。ただ、私の目的に必要なのです」
……いいえ。そんなことあります。バリバリに脅したよ?僕。
「そうなの……目的が達成出来ると良いわね」
「はい」
ラザリアの言葉にミリアは笑顔で頷く。
……ミリアってば僕なんかよりもよっぽどサイコパスだよね。ミリアの復讐対象にリーリエの父親も居るよね?
よくもまぁ……あんな白々しい笑顔を見せられるものだよ。本当に。
今思ってみればAクラスのほとんどの親が全員復讐対象で、殺すべき相手である。ミリアの殺すべき相手多くない?
「みんな揃っているようね!じゃあ、みんなで朝ごはんを食べましょう!!!」
僕たち三人がいるところにマルジェリアが笑顔でやってくる。
「は?嫌なんだけど?私はまだ許してないから」
そんなマルジェリアに向けてラザリアが怒りの視線を向ける。
「外で食べてくる」
そして、ラザリアは玄関の方に向かっていてしまう。
「そう……え、えっと……それじゃあ」
「あぁ。お前がちんらたしている間に僕は食べたから。あ。片付けはやっておいてくれよ?」
マルジェリアは膝から崩れ落ちた。
僕はそんなマルジェリアを鼻で笑い、パフェのお皿を持ったまま席を立つ。
……今日は何をしようか。10万ピースのパズルに挑戦するか……!
「じゃ、じゃあ……」
マルジェリアが僕の後についてくるミリアに向けて希望の視線を向ける。
「ふっ」
ミリアは一度笑みを浮かべ、崩れ落ちているマルジェリアの耳元に口を近づける。
「私はあなたが嫌いです。そこらへんの雑草でも一人で食べていてください」
ミリアは笑顔でエゲツないことを告げ、つばまで吐いた。
……やっぱりこいつが一番サイコパスでやばくない……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます