第4話
「さて……と」
どうしようかなぁ。
「行くわよ」
僕がどうやって攻略するか悩んでいる間にも僕に向かって多種多様な魔法の数々が飛んでくる。……面倒な。
僕の両目が紫色に光り、飛んでくる魔法を次々と消滅させ、消滅しきれなかった分は自分が転移することで回避していく。
……どの魔法も威力が高く、大規模なものが多い。あまりにも大きすぎるものだと僕の瞳に込められた空間歪曲魔法では完全に無効化出来ないので、厄介だ。
「それが紫紺っていうわけね」
僕の紫色の光る両目を見てマルジェリアは興味深そうに告げる。
「そうだね」
そんなマルジェリアの言葉に僕は適当に答えておく。
……この世界魔法、パッシブだったらどうしようもないな……。
「第十二階位魔法『雷神之審判』」
僕は中距離範囲魔法を発動する。
視界を覆い尽くし、全てを破滅させる雷撃が地面に落ちてくる。
「ふふふ」
塵一つ残さず消滅する花……というわけにはいかった。雷撃を打たれた花は花びらを撒き散らして散り、上空へと舞い上がる。
そして、地面へと落ちてきた花びらは再び花となって地面に芽吹いた……破壊不能か。……面倒な。
「残念でした。第十階位魔法『冥府の
僕に向かってくる万物を凍らせる冷気。
それは目に見えない温度という概念。だからこそ僕の空間歪曲が効かない。
「第十一階位魔法『四次元』」
まぁ自分の次元を一つ上げることで簡単に回避出来るんだけど。
「第十二階位魔法『
マルジェリアは第十二階位の魔法を発動させるのは、『魔力』で出来た巨大な槍。
膨大な『力』そのものが具現化した槍。
決して外れることのない
「第十二階位魔法『
それに対抗するように僕もまた第十二階位の魔法を発動させる。決して外れることのない『
マルジェリアの槍を迎え撃つのは『雷』の鎚。
互いの第十二階位魔法がぶつかりあい、世界を歪めていく。力が吹き荒れる。
「……え?」
ぽとり。
「は……?」
ゆっくりとマルジェリアの頭が地面へと落ちていく。
頭を失った体は、ゆっくりとその体を倒していく。
血が溢れ、吹き出し染めていく。
真っ赤な血が噴水のように上がって。
「ふぅー」
良かった。パッシブによる効果ではなかったようだ。
これで僕の勝ち、かな?
それでも僕は油断することはなく、臨戦態勢を崩さずに意識を周りへと向ける。何があっても対処出来るようになる。
「ちっ……」
花は未だ枯れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます