第39話
「遅いねぇ」
生徒会長の後方へと転移した僕は生徒会長を蹴り飛ばす。
「くっ!」
吹き飛ばされた生徒会長は魔法術式を描くのを手伝ってくれる詠唱もなしに魔法術式を描き、魔法を発動する。
僕の方へと人を容易く呑み込む業火が迫ってくる。
「馬鹿の一つ覚えだ」
僕はその炎を歪曲させる。
「シッ!」
炎が消えた時、僕が魔法で炎を消した時にはすでに生徒会長は地を蹴り、僕の方へと剣を構えて突撃しているところだった。
「遅せぇ。絶望的に」
だが、すでに僕は生徒会長の後ろにいる。
地面を蹴り、体全身が宙へと浮いた状態の生徒会長を下へと蹴り落とす。
「ぐふっ」
生徒会長は無様に体を地面と倒し、地を舐めた。
「よっと」
僕は生徒会長のきれいな黒髪へと足を下ろす。
「ほら。存分に地を舐めろよ?」
グリグリと足を動かし、生徒会長の頭を地面へと擦り付ける。
闘技場の砂利が生徒会長の顔を、髪を汚し、生徒会長のふっくらとした唇に閉じられた口の中に砂利が強制的に入っていく。
「んぁ!」
そんな状態でもなお、生徒会長は頬を赤く染め、どこか甘美な声を上げる。
「『発火』」
生徒会長の全身が燃え上がり、その炎は生徒会長を踏みつけている僕にも登ってくる。
「ふん」
僕は特殊魔法に分類される結界魔法を発動し、己を守った。
炎は僕の元までは届かない。
「無駄なあがきだな。……これ以上僕を失望させてくれるな」
僕は地に伏している生徒会長の腹を蹴る。
「僕は殺しだけは絶対にしねぇ。それが僕のルールだ。……が、敵対者になにしてもいいよな?」
手元の雷を出現させる。
「ここで公開レイプってのも面白いよなぁ」
僕の口元が三日月のように裂け、笑い声を上げる。
「んぅ」
それに対して生徒会長は頬を赤く染め、息を荒らげて熱っぽい視線をこちらへと送ってくる。
僕がどうしようもないサディストであると同様に生徒会長はどうしようもないマゾヒストだった。
僕と生徒会長は完全にやる気になっていた。
生徒会長はミリアと共に僕を暗殺者だと疑い……そして、ミリアの親の敵が僕であることを薄々感づいているだろうに。
完全にやる気の僕と生徒会長。
「ストップ!ストップ!」
「何をしようとしているんですか!」
しかし、それは他の人たちに止められる。
「あ?生徒会長は僕を楽しませられなかった。だから別の形で楽しませてもらおうとしただけだが?」
「だめに決まっているでしょう!終わりですよ!終わりです!」
副会長たちの手によって僕と生徒会長の戦いは強制的に終幕を迎えた。
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