第35話

 学院生活。 

 僕の学院生活は平穏そのものだった。

 面倒なリーリエやラザリア、主人公陣営からの干渉は無くなり、平和にアルミスと一緒に学院生活を送る日々。

 放課後は美味しいスイーツを頬張り、夜は娼館でエウリアと一緒に爛れた生活を送る。

 そんな平穏で、楽しい生活を送っていた。

 そして今、そんな僕らは生徒会室へと向かっていた。

 生徒会長に生徒会室へと来るように言われていたのだ。


「……なんで俺も行かなきゃいけないんだ……」 

 

 生徒会の一年生メンバーは計4名。

 僕とエルフの娘と主人公の初恋の人。後一人足りないのだ。

 その残りの一人として僕はアルミスを誘ったのだ。というか、無理やりぶち込んだんだけど。


「良いでしょ?内申高くなるよ?」

 

 僕はブツブツと文句を言っているアルミスに笑顔で告げる。


「別に俺は求めていないんだよ……生徒会とか面倒……」


「そんなこと言うなよ。コネは君のためになるでしょ?」


「……まぁ、そうだけどな」

 

 アルミスは僕の言葉に頷いた。こいつはコネとかが重要だろう。

 ……まぁ、僕と関わっている段階でコネを築くのは大変だとは思うけどね。


「ほーい」

 

 僕は生徒会室の扉を開け、中に入って生徒会室の部屋のソファに腰を下ろす。


「よっと」

 

 空間魔法を発動させ、別空間に保存しているパフェを取り出して机に乗せる。


「美味し」

 

 一人堂々とパフェを頬張る。


「あなたは本当にぶれないね……」

 

 そんな僕を見て主人公の初恋の人はボソリと呟いた。

 主人公の初恋の人、ミリア。青色の髪と瞳を持った、三編みお下げの少女である。

 ちょっと地味めだけど、十分可愛い。地球だったらアイドルデビュー人間国宝間違いなしだ。

 ちなみにおっぱいの大きさは良い感じの普通な感じだ。


「当然だよ。僕は僕だ。僕の自由は誰であっても揺るがすことは出来ないね」

 

 ……仕事だと別だがな。


「……そう言えるのは羨ましいな」

 

 堂々としている僕に対してエルフの娘が羨ましそうな言葉を上げた。

 エルフの娘、アレリーナ。

 金髪、緑眼の美人で貧乳のエルフ。エルフらしく耳も普通の人間よりも遥かに長かった。

 

「ふん。僕だからな」


「良し。一年生は集まったな。二年生、三年生の生徒会メンバーもみんなに紹介していこう」

 

 生徒会室に集まっていた一年生たちを見て、生徒会長が告げる。


「ほら、入ってきていいぞ!」

 

 生徒会長の言葉と共に、生徒会室から資料室に繋がっている扉が開き数多くの男女が生徒会室の方へと入ってきた。

 ……え?ずっと資料室で待っていたの?

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