第33話
「ごちそうさま」
僕は追加で注文したパフェも3つ全て食べ終わる。
「す、すごいわね……。まぁいいわ!早く私についてきなさい!ここでも勝手に帰ったら許さないんだから!」
「おうよ」
僕は適当に返し、料金を払う。
そして、ちらちらとこちらを何度も確認してくるラザリアの後について、スラム街の方へと向かっていった。
「あ?こんなところに連れ込んで何するつもり?僕を気持ちよくでもさせてくれるの?」
「何のつもり?」
僕の言葉を無視して、ラザラアは僕を睨みつけてくる。
「質問に質問で返すなって教わらなかったのか?」
「何のつもり?」
ラザリアはそれしか言ってこない。
「何の意図で言っているのかわからねぇな」
「……何であの子を遠ざけ、避けるの?あの子がどれだけあなたを思っていたか!」
「来なかっただろ?何年もの間。僕はその間にあいつへの興味を失った。それだけだ。あいつも残念だったな」
……あれ?
これだと……僕が死ぬほど面倒なメンヘラ野郎にならん?まるで会いに来てくれなくて拗ねているガキようでは……?
厄介ツンデレメンヘラ……?え?死のっ……。
「……」
僕の言葉にラザリアは絶句している。
「あの子はずっとあなたのことを純粋に思い続けていた」
だが、それでもラザリアは言葉を続ける。
「僕は思い続けてないね」
「そうだとしても無視する必要はないじゃない!」
「面倒な奴の相手をなんで僕が相手しなきゃいけないんだ?」
「……私の友達が悲しそうな表情を浮かべるのを私は見たくないのよ!」
「我儘な奴だな。なんで僕がお前のそんな下らない願いに付き合ってあげなければいけないんだ?お前、自分が無茶苦茶言っていること理解しているか?」
「えぇ。しているわ。でも無茶苦茶なのはあなたも同じでしょう?あなたが誰に対しても無茶苦茶な態度を取るのと同じように、私もあなたに対して無茶苦茶な態度を取り続けるわ。私はあの子が悲しむところを見たくない。だからあの子と会話しなさい。……あの子に意味もない希望を与えさせるくらいならね!」
「はぁー」
僕は深々とため息をつく。
「僕はあくまで最強だから無茶苦茶しているだけだ……。お前は僕より弱いだろうに」
「ぐふっ」
特殊な歩行術で移動したことも悟らせず、一瞬でラザリアとの距離を詰めた僕はラザリアの腹を殴る。
それを受け、ラザリアは倒れた。
「お前は何も知らねぇ。無知な奴が囀るなよ」
「な……何、を」
「じゃあな」
僕は意味深なことを言ってその場を去った。
こうしておけばラザリアからの干渉も少なくなるだろう。時が経てば主人公がみんな惚れさせるハーレムエンドで解決してくれるだろう。
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