第29話 魔法の設定あり

「魔法には難易度に応じて階位が定められている。まず下から第一階位、第二階位、第三階位、第四階位、第五階位、第六階位、第七階位、第八階位、第九階位、第十階位、第十一階位、第十二階位となる。基本的には第七階位魔法まで使えれば一流の魔法使いだと認められるだろう。それで、だ。第八階位魔法以上を使えるようになれば、超一流、いや。化け物の仲間入りとなる。第十二階位魔法を使える者など居ないだろう」

 

 先生は第十二階位魔法を使える者はいないと断言する。

 だが、第十二階位魔法を使える存在もちょいちょいいる。

 僕だって使えるし、お父様も使える。この学園の理事長だって使えるだろう。

 

「第七階位は将級魔法、第八階位は王級魔法、第九階位魔法は帝級魔法、第十階位魔法は天級魔法、第十一階位魔法は神級魔法と別名で呼ばれる事が多い。そして、将級魔法を使えるものは、使える属性と合わせて、『火将』などといったような二つ名で呼ばれるようになる。ちなみにだが、第十二階位魔法を使える人間なんていないので、第十二階位の魔法に別名はない」

 

 僕は雷魔法の第十一階位まで余裕で使えるので、『雷神』。空間魔法も余裕なので、『空間神』。他の属性の魔法は第十階位までしか使えないので、『火天』『水天』『風天』『土天』となる。

 ちなみに、魔法には五大属性と言って、火、水、風、土、雷の属性が存在していて、他の魔法は特殊魔法に分類される。

 過去の偉人たちが見つけた書きやすい魔法術式の種類だ。


「君たちの担任の先生は風属性の魔法を王級まで使えるので、『風王』。彼女は『疾風の風王』という二つ名を持っているよ。私は研究者側の人間なので、第七階位までしか使えないのだけどね……」

 

 基本的には二つ名を与えられるときは、アリサ先生のように風王だけじゃなく、その人の戦い方に応じて何かもう一言加えられる。

 でも、僕にはない。

 当然だ。

 今まで僕は人前でまともに魔法を見せたことなど無いのだから。

 僕の二つ名は『死神』。別に死魔法なんて使えないのにそう呼ばれる。

 『紫紺の死神』それが僕の二つ名だった。

 僕が殺しに魔法を使う際、両目が光り輝くのでそう呼ばれる。ひどく単純で、わかりやすい二つ名だった。

 


 ブ───────



 授業の終了を知らせる音が学院中に響き渡る。


「お。これで授業は終わりだね」

 

 その音を聞いて先生が告げる。


「今回はおさらい、復習でつまらない授業になってしまってごめんね。次回からはみんなが知りたいような授業をするよ。今日の授業はここまでだ」

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