第4話

 王都。

 うちの領とは華やかさも、活気も、何もかもが段違いの街を僕は歩く。


「ふんふんふーん」

 

 王都に存在している王立騎士学院。 

 この国、イロンティア王国最大の学院であり、基本的に貴族はこの学院に通うことになる。

 当然僕も。

 入学試験を受けるために僕はわざわざ王都まで走ってやってきたのだ。

 

 そんな僕が今宵向かっているのは学院ではなく、娼館である。

 入学試験を受けるのは明日。今日は自由だ。自由時間に何をするかと聞かれたらそんなものは一つだろう。

 というか、地球からの転生者、転位者ならば必ず娼館には行くはず!!!


 ということで僕は怪しげな夜の街を歩く。

 

「ねぇ……どう?」


 数多の誘惑、それらを掻い潜り僕は先へ先へと向かっていく。

 僕が行きたいのはこの街の最高級娼館。女の人の綺麗さは殆ど変わらない、みんな可愛いのだけど、体と施設の綺麗さが違う。どうせならいいところでヤりたい。


 ちなみにだが、僕は童貞ではない。

 暗殺者としての訓練の一環として性技も入ってくるのだ。実戦で使ったことはないが、訓練では数えるのも億劫なほどヤッている。なので、普通にエッチの経験は多い。

 しかし、相手は性技を鍛えるためにうちの家が用意している特殊な一族。エッチ中は顔を隠しているし、喘ぐ声も上げない。なおかつ、仕事とプライベートでは気持ちの有り様が違うので、セッ◯スを楽しんでいる気になれないのである……。

 

「いらっしゃいませ」

 

 僕は高級娼館に入ると、受付の人が接客をしてくれる。


「一番おすすめの女を。金ならあるのでね」

 

 僕は受付に対してそう告げ、大量に金貨の入った袋をカウンターの上に乗せた。

 

 アレイスター家は腐るほど金をもっている。暗殺依頼でアホみたいな額を渡されるのだ。しかし、そのお金を使って領地を発展させることは許されず、アレイスター家の人間は総じて装飾品などには一切興味を示さない。そのため、お金だけが貯まっていくのである。


「了解しました」

 

 受付の男は一度頷き、こっそりと魔法を発動させた。連絡魔法だろう。

 その後すぐに、一人の女がやってくる。

 腰まで伸びたきれいな金髪に、緑色の瞳を持ったきれいな女で、色っぽいドレスを着ている。

 露出の多いドレスから見える大きなおっぱいは実に素晴らしい。


「よろしくおねがいします」


「あぁ」

 

 女は僕の元までやってきて、僕の腰へと手を伸ばしてくる。

 くらっとするほどの甘い女の匂いが僕の鼻腔を通り過ぎる。

 僕と女は娼館に用意されている一室へと向かった。

 

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