第5話
「よっと」
僕は今まさに女の子へと襲いかかろうとしていたゴブリンへと華麗にドロップキックを決める。
「ぐぎゃ」
魔力によって強化された僕のドロップキックを前にゴブリンは容易く頭を粉砕された。
ゴブリンを倒して早一年!もう慣れた。
「魔弾」
僕は魔力を指の先へと集中させ、一気に解き放つ。
一つの魔力の塊が発射され、ゴブリンをえぐる。
「ほい、ほい、ほい」
僕は次々と魔弾を放っていく。
「ぐぎゃぎゃぎゃ」
逃げ纏うゴブリンたちを魔弾で一網打尽にしていく。一分も経たずに僕は全てのゴブリンを殲滅してみせた。
ふっ。他愛も無い。
「大丈夫?」
僕は後ろに振り返り、ゴブリンに襲われていた少女の方へと向き直る。
「あ、あ、ありがとうございます……」
襲われていた少女が僕に向かって頭を下げる。
襲われていた少女。
腰まで伸びたきれいな金髪に、宝石のような碧眼を持った可愛い少女。僕と同じくらいのロリである。
「別に大丈夫だよ……それで?君はなんでここにいるのかな?」
「うっ……そ、れは……」
僕の質問にロリは目を泳がせる。……困惑しているロリ。いとうつくしき。
「ご、ごめんなさい!」
ロリは目に涙をいっぱいに溜めて、頭を下げてくる。
「わ、私!私!いけないことだってわ、わかってたのに!そ、それでもそれでも!お、お母さんを……」
「お母さん?なんでここに来たの?」
「……えっと……その、ここには毒草に効く薬草があるって……それで」
「あぁ、なるほどね」
僕は少女の言葉に頷く。
この裏山にはものすごい多くの薬草が生えている。異世界らしくポーションを作れる薬草や、毒消しになる薬草、果てには僕が元いた世界、地球でソ連が開発した最強の毒ガスであるノビチョクと同じレベルの毒を作ることが出来る毒草まで生えている。ものすごく物騒な裏山なのだ、ここは。
「わかった。一緒に探してあげるよ。お母さんを治せる薬草を」
「ほ、ほんと!?」
ロリの目が輝く。
「うん。本当だよ。それで?お母さんの症状は?毒、にやられたんだよね?」
「そうです!みんなが毒に違いないって影で話してて!それで……!それで!お母さんは──────」
「なるほどね」
僕はロリの話を聞き、考える。
お母さんの症状を聞き、
……ふわっとしていてわかりにくいが……多分あれを使えばいいだろう。
「何の薬草を使えば良いかわかったから、僕についてきてよ」
「本当!?」
「うん。本当だよ」
僕はロリを引き連れて裏山へと登っていた。
……あれ?なんか犯罪チックじゃない?
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