三魔 取れるものなら、取ってみてください♡

 ももみもみ

 ももももみもみ

 もみももみ


 柔らかい。それでいて弾力感があり、包み込むような大きさもある。完璧なそのたわわ。

 好き放題にイジり、揉み込む。

 それをするだけで一週間はいける。なんなら、ここから母乳でもでてくれば、一週間と言わず永遠に揉んでられる。

 そう、食事と水分補給、両方を両立させ、さらには性慾を満たす。人の三大欲求の二つを落としたなら、最終関門睡眠欲だが、こんなの胸、いや、おっぱい様の上で寝れば問題などない。

 そう、そこに問題はなくなる。

 これで、一日中、いや、四六時中おっぱいをイジってられる。揉んでられる。

 これでこそ、完璧な世界。

 そんな、幻と現実は大きく違い、あの最高にそそられる一言を聞いたあと、俺がした行為、そんなのは簡単で、簡潔だった。

 そう、外に追い出した。

 あそこで、欲に負けていたら以上の妄想が実行されたこと間違いないのだが、俺の理性は眠気のなかでも正常を保ってしまい、冷静な判断を下しおりやがりました。

 そう思いながら、軽くエッグトーストを夕食として食べながら、ああ眠いと。シコりたいのダブルで挟まれもみくちゃを食らっていた。

 ちなみに、彼女はといえば、最初はドアの前で高校生としては恥ずかしくも大声、とまではいかないぐらいの声で騒いでいたのだが、今では静かにしている。

 もういなくなったのか、それともいなくなったかを確認したところで入ってくる予定なのか。知らんし、興味もない。

 そして、眠い眠い思いながらも食事を終える。

 あとは風呂入って寝るだけ、そう思って俺は風呂に入った。

 頭を洗い、体をと思ってるとスルスルと。スルスルスルと。謎の音がする。なにかと思ってると、ドアの曇硝子くもりがらすもとい曇プラスチックのには人影が。

 つまりは脱衣場に誰かいる。いや、脱衣室?

 って、そんなことはどうでもいい。誰かいるというのが問題だ。女子高生は家から追い出した。

 なら、他に誰がいる?

 家の中に女子高生の他にもう一人潜んでいた? なら、襲いかかるタイミングが他にいくらでもあった。

 それなら、スルスルの音はなんだ。

 このスルスルの正体、そんなの衣服を脱いでる音に決まっている。脱衣場となればそれしかない。

 他に考えられるのは、ポルターガイスト? つまりは、この人影は幽霊という説。というか、入ってくるのが遅いという点からみて、人とは考えにくい。

 幽霊という説は割と当たっている気が……。

 いや、幽霊なんて科学的根拠に基づいて考えるなら、まずあり得ない。起きるはずがない。

 じゃあ、やっぱりこれは人間なのか?

 そう思って身構えてると、入ってきたのは、女子高生だった。あの、芦之湯未空あしのゆみくと名のったそいつだった。


「ど~お? ずいぶんと待っててくれたみたいだけど、私の裸を想像しちゃった? ざんね~ん、水着でした! ピッタリぴっちり競泳水着。興奮する?」


 もう一度言おう。あえて言おう。

 こいつのスタイルは、百人の男女に聞けば百人が概ねスタイルがいいと答えるレベルにはナイスバスト、もといナイスボディだ。

 つまりは、彼女の水着姿というのは、その、あそこに悪い。そして、なにより俺は、裸だ。隠しようもなく、裸だ。タオル一つ持つことのない、完璧な全裸。


「どうしたの? 固まっちゃって。ああ、もしかしてエッチな想像でもしてたんでしょ? それなら今からする? とっても、気持ちよくなる、エッチなこと。私は水着だけど」


「ちょっと待ってくれ」


「ん? なに? もしかして、お背中流してもらうという健全に見せかけておいて、実は私の胸を楽しめるちょっとしたハプニングで済まそうとか考えてる? それ、私があまり楽しめないんですけど」


「だから、ちょっとまて」


「なになに? 図星? まさかの、図星? ウソー。いいよ。それなら、私のお胸を貸してしんぜよう」


「お前、マジでちょっと黙ってろよ?」


 俺が今、そんなことを考えてるわけないだろ。

 だって、そもそもお前はどうして家に入ってこれたって言うんだよ。最初は、家に帰ってきたときは鍵を閉め忘れたで済む。

 でも、寝ぼけてても、あまりの眠気があっても、あのとき、あの瞬間、芦之湯未空あしのゆみくを追い出したそのとき、俺が鍵を閉め忘れることなんてあるはずがない。

 というか、しばらくの間騒いでいたのだから、閉めてないわけがない。

 なら、今俺の後ろに立ち、競泳水着を着てる彼女はなんだ。

 双子で似てるけど、俺の後ろにいるのは芦之湯未空あしのゆみくの姉、もしくは妹ですでに家にいて潜んでいた。

 なくはない可能性だ。


「お前は、誰だ?」


「なに言ってるの? 芦之湯未空あしのゆみくだよ。かわいい名前なんだから、一回で覚えて、ついでに一回抜いたぐらいじゃへこたれないようにね」


 なんてことを言ってやがる。

 でも、これは紛うことなき芦之湯未空あしのゆみく本人で間違いない。この頭のハピってる具合、他では再現できないお味だ。まさに唯一無二。


「お前、どうやって家に入ってきたんだ」


「えっ? そんなことで私、待たされてるの?」


 そう言うと彼女は、お風呂場にお邪魔し、ドアに鍵をかけてからこう言った。


「家に鍵を差し込んで、普通に開けたに決まってるじゃん。ほら、おま■こにおち■ち■差し込■だりするように」


「女の子がそんなはしたない言葉を使わないで! 幻想が……。幻想が壊れてゆく。どっかの右手が我々の業界のイマジンをブレイクしていく」


 なんという、心にぐっさりと深い傷を負わされたが、答えは判明した。鍵だ。こいつは鍵を持ってやがる。

 理由はもちろん不明。

 しかし、鍵を持っている。


「なあ、その鍵を返してくれ」


「返すもなにも、これは私。でも、欲しいならあげる」


「じゃ、もうそれでいいか──」


「そのかわり」


 彼女はそこで言葉をとめると、自分の豊満なたわわに手を突っ込む(羨ましい)と、鍵を胸の谷間に挟んだ状態でこう言った。


「私はこの状態からなにもしないので、ご自分でお取りになってください♪ それと、私をこのお家に一晩だけとーめて?」


 それはもうお胸をぷるんぷるん、ぽよんぽよんさせながら、可愛らしく、あざとく芦之湯未空あしのゆみくはそう言った。

 俺がこの鍵を取れないと思い込んでいるから。俺はこの鍵を取らないと思い込んでいるから。

 だから、俺は手を出した。

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