第4話 白米

 白米の炊ける匂いっていいよね。

 なんか安心する。懐かしく感じているのかな。


 夜に電気ジャーに生米を仕込もう。そして朝炊けるようにタイマーをセット。お米の炊ける匂いで目が覚めるように。


 ピー、ピー、ピー


 眠い、でも鳴ってる。

 あ、お米の匂い。

 仕方ない。起きよう。

 顔を洗いながら考える。何をおかずにしようか。昨晩は考えながら寝てしまった。まだ決まっていない。

 納豆、梅干し、海苔、明太子、魚、おしんこ。

 卵かけご飯という手も。

 いっそカレーにしてしまうか。

 いや、せっかく炊き立ての白米の香りが薄れてしまう。

 よし、魚にしよう。真空パックのものがあったはず。取り出して温めて、お皿に乗せて、ご飯もよそって準備完了。いただきます。


 魚を一口大に分け、口に運ぶ。ご飯は熱いので少しだけ。

 つやつやのご飯の甘味と魚の塩味、旨味が口の中で合わさって正に良い塩梅に。

 お米と魚の香りが鼻に抜ける。

 ああ、いい。幸せだ。

 これが、これこそが日本の食事。

 これで今日も少しだけ頑張れる。

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