5人目 そうめん【後編】

快活で透き通るような声、丁寧かと思えば時に傍若無人に変化する、企画に合わせて自分を擬態するのが、そうめんの魅力でもある。後編では更なるそうめんの思考を掘り下げていこう。


 例えばハートコメント、最初は

あなたのハートと私のそうめん、

一緒にちゅるんと食べていい??


だったがメスみが強いことに嫌になったのと、関西を前面に出したいと言う理由から、


あんたのハートとわたしのそうめん

一緒にちゅるんと食べたろか

言うてやってますけど。


に変更された事にこだわったり、メスみが出ることを嫌うことが見受けられる。


・印象深い出来事


 筆者は、印象深い出来事を聞いたはずだったが、結果として聞けたのは、配信者そうめんの代表作?代表配信的なものである。


2022 5/22が誕生日で4/22に急に人恋しくなった。だから? だからの意味が少し私にはわからなかったが、誕生日の1ヶ月前〜誕生日まででどれだけの事が出来るのだろうと考えて、やりたい事を全力でしたくなった。そうして誕生日のカウントダウン配信を29時間前から、しかも全て企画枠で構成したものをやった。

 なぜ29時間だったかと言うと、近しい人に、新社会人で30時間はキモすぎると言われて、29時間ならセーフと考えたからである。

 29時間中、28枠を自分でやった。1枠だけ他の枠主さんが枠主の企画をしたのだが、あとは全部そうめんが枠主で企画をした。基本は全部枠主27時間目に他の枠に誘導枠をしたので、後に27時間の壮大な誘導枠と名付けられた企画でもあった。


100日後に死ぬわにが流行っていたので、名前の後ろに【そうめん@彼氏ができるまで〇〇日】と言う、名前に変えて活動した時期があった。

なぜそんな名前に?

spoonで好きな人が出来た。大勢でのリア凸で好きになった。2回目のリア凸は2人でした。その人に彼女はいたけど、2人でリア凸してしまった。そして2人で会って、もっと好きになってしまった。そうめんは、なし崩し的にズルズルいくのが嫌だった。


 そうして考えた。諦めるか、別れるのを待つか、奪い取るか。そしてそうめんは決めた。私は待たない!奪い取る!と。

その結果名前で100日迄に奪いとるという決意表明から、100日後からカウントダウンした名前だった。ちなみに結果はと言うと、リアルで会ったのは3回。でいかがわしいことは無し。その100日の名前の間にその人と話し合う機会があって、「私たちこれからどうする?」と聞くと「どうするの?それより、そうめんちゃん、俺にかまけて100日後に彼氏出来るの?」

まるで他人事のような彼の態度にそうめんは、

「私は去るか、彼女から奪い取るのに必要な時間が100日のつもりだった」

 そういう決意表明だと、彼に話したところ、会話を流された。(そうめんだからと言うわけではない)


 そんな結果に終わったのでもちろん彼氏は出来なかった。禊として雑談のみの24時間配信をした。あの24時間配信にはそんな背景があったんだと、このインタビューで、知っていただいたら嬉しく思う。


現在はspoonが恋人と言うそうめんの好みのタイプは

「二度とこんな人見つからないと言う個性や特徴がある人。

例えば語彙力とか。何かに特化した人が好きです。

精神面と人間の懐の深さ、余裕が見られると頼りたくなります」だそうだ。容姿は吉田羊の劣化版で、性格は芸能人で言うとSHELLYや指原莉乃に似てると言われるらしいのでそうめんの心を奪いたい人はこの辺りを参考にして頑張って欲しい。


・配信で意識してることは?


 昔、企画にめちゃくちゃ呼ばれるようになる時期があり、定時枠ブームが始まった時期に

企画は好きじゃないけど、そうめんの枠には来てた。と言われて一時期企画に出過ぎてリスナーが離れたこともあった。その頃を思い出して自分を律する事を忘れないと言う。


 今は、コメントに強く食いつくことと、コメントが止まった時にリスナーにストレスを与えたくないので、コメントが無くてもいいような空気作りで、コメントを強制するのではなく促すようにしている。


・30分点呼

30分点呼と言えばそうめんの代名詞だが、そのルーツはたまたま行った枠周りで聞いた、すごく丁寧な点呼をする枠だった。

 そこで、なんて素晴らしいんだと感銘を受けた。

 そこから徐々に丁寧になっていき、さらには今日の点呼テーマのように決めて、例えば【この夏あなたと遊ぶスポット】など、呼んだ人と妄想劇を繰り広げるような、点呼をコーナーのひとつのようにした。1人喋りが得意なので、点呼が1人喋りのコーナーになっていった。最近は話題に困ったら実は点呼(約30分前)早く来ないかなって思ってる。

ペア配信でも、コメント頼りでもなく、一人で喋り続けてリスナーと繋がり合えた時に初めて自分が配信者になったなぁと思ったと言うが、根底には人と話すが大好きという大前提は変わらずある。


 ちなみに間をどんどん埋めて、リスナーのリアクションを待たずに喋り続けて、リスナーの「笑」や「w」がどのトークに対するものかわからないくらいに喋るというスタイルもある。


・吉ろという男とその企画グループ

そうめん自身も所属する企画グループについても話を聞いた。


意外な事だが、そうめんは音声編集は元々できなかった。

企画等でも必要になることもあるし、ちょっと齧ってみよう。そんな簡単な動機だった。

吉ろさんの企画で商品笑介という代表的な企画があった。自分は参加者では無かったが、出場者の中に編集が出来ない人がいた。それを軽い気持ちで、手伝う事を引き受けた。もちろんやるからには全力をつくした。そこで披露したものが、彼の目に留まりスカウトを受け、企画グループに入会?した。

入ってみると、下手したら自分が大学のグループで見るよりもレベルの高い、企画集団だった。例えば動画担当、画像担当など。各分野のスペシャリストが存在し、圧倒された。そして「誘われたからには、この集団に恥ずかしくない自分でいよう」そう思ったことを今でも覚えている。


他にもあの企画グループのの凄いところは、コミュニケーションを辞めない所だと言う。お互いがお互いの個を出すことを辞めずに話し続け、そこから生まれる企画もあるという。彼らにとっては意見の交換や通話こそが、企画会議でありクリエイティブそのものなのだろう。

 そうめんはこう語る。

「ネットという不安定な場所の中で自分にとっての確実な居場所です」と。


最後にこれからのそうめんの目標、理想を聞いた。


spoonを初めて2年経つけど、

新しい企画も思いつくし、まだまだやりたいことは、無限にある。音声編集者としての自分にも引きがあるし、やりたいこと、出来ることはまだまだあります。

 私は居場所がないから色々な場所に所属していた時期もありました。

 そうなると、【〇〇さんのところのそうめんさん】と呼ばれるようになります。それはもちろん光栄なことですが、私の目標は、そうめんというのが、〇〇さんの部分に入るようにもなりたい。またフリーでも、【そうめん】が先に来るようにしたい。そうめんというのが一種の固有ブランドになるようにしたい。ネットの中で不確定な居場所というものを見つけた私が、今度はみなさんの不確定では無い居場所になれたら、それが自分の区切りでは無いかと思う。そうめんはそう熱く語った。


2年前spoonを流れ始めたそうめんが環境や人に流されないもっと強いそうめんになっていく、これからのそうめんから目が離せないものである。

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