5人目 そうめん【前編】
※今回は女性の配信者さんのため前回の反省を活かして、初配信からそうめんを見ているカラス(そうめんが信頼出来るおじさん配信者)さんを交えてインタビューしています。
2020年7月、コロナは流行り病となり、夏は暑く、各家庭でそうめんが大量に消費される7月、そうめんは生まれた。
spoonを始めたきっかけは、コロナ禍で暇になり、社交性が溢れていたそうめんは、人と話す機会の無さに憤っていた。それまでは小学校からの10年来の付き合いの女友達がいて、暇つぶしの通話相手がいたがその子に彼氏が出来たので、彼氏優先になるのはもちろんだし、そうめんも付き合いたてのカップルの邪魔はしたくなかったので自然と通話相手がいなくなってしまう。
通話や暇つぶしと考えた時に今は色々な配信アプリや、通話アプリがあることに気づいた。そうしてspoonを始めた。なぜspoonだったかと言うと件の親友が配信系のアプリに詳しく、そうめんのことを心配してくれて、顔や個人情報を出さずに人と通話できるアプリを紹介してくれたのがspoonだったのだ。皆様もお気づきであると思うが、彼女はspoonを通話アプリだと思っていた。それはダウンロードした後もしばらく勘違いしていたと言う。
名前は最初からそうめんである。当時大学に通っていてその時のあだ名がうどんのどんちゃんだった。
大学からスマホを持ち始めて、SNSを使い始めたので、実際の経験がなく学校の授業で習った、ネットのリスクのイメージが大きかったと言う理由でネットリテラシーがガチガチに高かったこともあり、同じあだ名だとバレるかも知れない。だけど、手軽で馴染みやすいものと考えた時に、元々のうどんから麺に繋がり、その中でも夏の暑い時期ということもあり、スピードも早く調理できて食べれる。みんなにも馴染見やすい!という理由でそうめんに決めたという。ダウンロードして3ヶ月以降からはIDも、sararisowomenとしてso womenで、めっちゃ女!という意味合いの当て字と英語にしてあるという。ちなみにこの文章の8割が後付けの理由で、本当は目の前にそうめんがあって、麺つながり?ええやん。ぐらいのものらしい。
次は初配信について触れていこう。友だちに気を使ってspoonを始めたものの、その友達がspoonアカウント持っていたため友達とコラボで配信するようになる。【関西弁通話を垂れ流し】というコンテンツでやっていたので、結局10年来の友達との会話を垂れ流しているだけで、メインの通話相手は変わらなかった。しかし、それ以外に読者の皆様が忘れてはいけない事柄がある。そうめんはこの時まだ、凸待ちやコラボを通話だと思っていたということだ。枠主を通話相手と思い、色んな枠に凸して自分の欲を満たして話した。そうして色々な枠を聞いたあとに自分も枠主をやってみようかなと、初配信をヌルッと始めた。
初配信には、多くの人が来てくれた。それは今までそうめんが通話相手だと思っていた人達だった。そうだ。彼女は知らず知らずのうちにヘビーに凸に上がり枠周りをしていたのであるから、初配信に人が来たのも納得の結果だろう。
元々の社交的な性格も配信に合っていたのか、初配信は大成功に終わった。その結果彼女は深い深いspoonという沼にハマることにある。
当時のことを簡単に聞いて見た。
1日2枠4時間は当たり前にやるような生活になった。夏休みだったことも相まって企画ではなく、6枠配信(12時間)とかをノリでやるようになっていた。そんな楽しい沼ライフを過ごしていた傍ら、友達の枠を主戦場とした、ペア配信は減っていったと言う。
そうめんという人間を語る上でかかせない出来事がある。それは親友の話だ。
spoon name おもち
リアルの親友であり、spoonの先輩で、spoonを教えてくれたという彼女はどんな人だったのだろう。そうめんは語る。
歌も上手くて、ミュージカルも出来る音楽に特化した人で配信スタイルはカワカテの姫。コアなファンを持つタイプの女の子で、「いい女」を地で行くようなタイプの子だったという。
現在彼女はspoonをしていない。
元々おもちさんのリスナーでペア配信も最初から聞いているからす氏には、2人がこう見えていたという。
おもちは意識高い系の、例えば何かのオーディションを受けに来る時も、私自身ありますと、言うのが滲み出ているタイプで見えはしないがおそらく肩で風を切っていた。
そうめんさんは、その友達のオーディションに無理やりついて来るように言われた女の子に見えたという。
それでもそんな2人のペア配信は正反対の2人だからこそ面白い。リア友ならではの気安さもあり、おもちさんの枠の人気コンテンツであった。
そう…徐々に見えていたギスギスがはっきりと不協和音に変わるまでは。
友情にヒビが入ったのは、嫉妬だった。
そうめんが、配信者として人気がでてきた時、
おもちは枠周りをしない、”配信者”としてのストロングスタイルでやっていた。fan数は増えなくても狭くて深く推してくれるリスナーが多めの枠だったという。自分の癖(へき)にあった層からの人気はあったが、去る者は追わずのスタイルだった。その頃そうめんがリア凸したこともあり、それを乏したりしたという話が耳に入っていた。そして対照的に元々枠周りや凸から配信を始めたそうめんは、はば広い層から、fanが増えていった。
今となってはそのことが琴線に触れたのかは。わからないが、少しずつ10年来の親友とは疎遠になっていった気がしていた。spoonで、暇という部分を満たしている一方、元々彼氏ができたからと、気を使った友人との間に距離を感じてしまったのはなんとも皮肉な事だった。
決定的だったのは、そうめんが企画ではなく、ノリと勢いで24時間配信をやった時のことだった。24時間と言ってもノリだったし、タイムテーブルが、あるわけでも無いので、「この後はトイレ休憩挟んで5分くらい後に次枠やりまーす」というゆるい流れのものだった。
その5分休憩の時に、そうめんはおもちの枠を目撃する。なるほど、それで来なかったのかと腑に落ちたところで、自分の枠を開こうと思い背を向けようとした。しかし、ほんの好奇心から、おもちはどんな枠をしてるのかな?と思い、ステルスを、した時信じられない話が聞こえてきた。
「spoonって友情を壊すアプリなん?」飛び込んできたおもちの声に続くのは、自分への陰口や悪口だった。
おもちが新しいマイクを買うから、当時配信機材を持っていなかったそうめんが、中古で購入させてもらう話を、「私の枠には来ないで配信してるのにマイク乞食して来る」と言われたり、あの子が自分の配信をしているからペア配信が減ったなど、共通のリスナーにそうめんの悪口を言う配信をしていたのだ。なんとか持ち直し自分の枠を開いたが、まさかの親友の自分への陰口に当時は相当なダメージを受けた。
当時、共通のリスナーからも、悪口の報告は無かったので、おそらく共通のリスナーも2人の仲を案じ、苦しんでたのだろう。申し訳ないとそうめんは語る。
確かにその頃には企画系配信者と、仲良くなってリア凸などもした時期であり、あえて悪い言い方をすれば暇を潰すのに、おもちでなければならないというのは無くなってきた時期でもあった。
ある時、意を決して、「私なんかしたかな?気に触ることがあったらごめんね」と言ったところ
「何も無いよ。なんかあったん?」と聞かれた。
その時に、あぁこれは話し合いも出来ないんだなと、思ったという。
また別の日におもちが、配信と関係ない地元の友達に、今そうめんが何を思ってるか、知りたい。謝りたいと相談(悪口)を言ったことで、
「配信アプリの絡みでなんかあったん?向こうは話したいことがあるって言ってるけど、私が、仲介入ろうか? 」と正義感と押しつけの強めの友達から提案された。
何もなかったと言ったが、謝りたいと思っていてくれたのかと、仲介を受けてLINEのグループ通話で話すことになった。
しかし、いざ通話してみると、「そうめんから話あるって聞いたんだけど」みたいな感じで、こちらもいや、「おもちが謝りたいって聞いてるけど」など、平行線な感じの話し合いになってしまったと言う。
いい加減に我慢できなくなったそうめんは、地元の友達が聞いている事と、実際のことにどれだけズレがあるか照らし合わせた。その結果を聞いた時にそうめんの10年来の親友はもう親友では無くなっていた。
その後最後の機会と思いLINEのコメントではなす事にした。3人で話していた時は気付かなかったが、声を聞くとあの日の何の気なしにしたステルスの陰口のトラウマを思い出すからだ。
そうめんはあの日おもちに言われた?書き込まれたことを今でも覚えている。
「確かに私が悪いところもあった、しかしあんたが悪い。現実のあなたは好きだけどspoonしてるあんたが嫌い。spoonを辞めるまで話しかけないで」
そのLINEを最後に、おもちはspoonを休止から自然消滅のように引退。今では別の顔出し系のアプリでやっているという。
続く
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