一星が元気を取り戻した頃、個人メドレーが始まるらしい。

「はい！じゃあ始めます！と、いう前に！」

アナウンスの言葉の後、俺たちはぽんっとプールに転送された。

ここは、25mプールだ。

ここで個人メドレーや25mを行うのだろう。

「はい！選手の皆様、プールに入ってください！」

「じゃあ、よろしく！」

「ああ」

紫苑ははっきりと頷くと、プールの中に入っていった。

「じゃあ行きますよ！5！4！3！2！1！スタートおっ！」

ピピーっ！

スタートの合図の笛が鳴り、選手が一斉にスタートする。

ドババババッ！

最初に先頭に立ったのは、『月の勇者』の月風（つきかぜ）楓（ふう）。

その後ろに紫苑だ。

バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎと泳いでも、順位はやっぱり変わらない。

そして最後のクロール。

「あっ！」

紫苑、クロールが得意なのか、楓と並んだ！

いや、並ばない。抜かした。

「おおおっ！」

そして、ゴール！

「見事！個人メドレーの勝者は、紫苑選手だ！」

アナウンスが、紫苑の勝利を告げた。

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