マリンファイト・遠泳バトル
いよいよ、次は遠泳バトルだ。
今のところ、『神の領域』は全戦全勝だ。まあ、当然のことだが。
「はいっ!次は遠泳バトルでえす!選手の皆様、海へ!」
アナウンスの声で、あちこちから選手が海の浅いところに入っていく。
一星もチャプン、と海の中に入る。
「きゃー!一星くーん!頑張ってえ!」
「はは、うん。ありがとう」
一星はファンの子たちに人気だ。
今も微笑みながらファンの子たちに余裕で手を振っている。
その姿に黄色い悲鳴をあげるファンと、その歓声を浴びている一星を羨ましそうに見つめる他の選手たち。
「さあ、では、遠泳バトル始めます!ルールは、あの島と往復して戻って来ればオーケー!では始めます!5!4!3!2!1!ヨーイドン!」
アナウンスさんが始まりを告げた瞬間、選手たちが一斉に泳ぎ出す。
一星が暫定一位。
だが、しばらくすれば、全員疲れてくる。島へは1kmくらいあるから、往復2km。
この距離を泳ぎ切るのは、人類として無理だ。
でも、一星だけは違った。
「ふう〜、ま、こんなもんかな」
一星は、ザブン、ザブンと海から上がってきた。
なんと、一星は往復2kmを一位で15分で泳ぎきったのだ。
「あ、やば……」
一星が、ふらりとよろめく。
当たり前だ。こんな距離を一回も休まず泳ぎ切ったのだから。
「一星!!」
俺たち全員は一星にかけよって、倒れかけた体を支える。
そしてビーチパラソルの下のブルーシートに運んで寝かせ、水を飲ませてあげた。
「一星様!」
ファンの子たちも駆け寄ってきてくれた。
そしてジュースとアイス、冷えピタシートをくれた。
「ありがと……」
一星の力無い笑みに、ファンの子たちはキューンとしている。
そしてその後、他の選手たちが続々と帰ってきて。
「見事!遠泳バトルの勝者は、一星選手だーっ!」
アナウンスが一星の勝利を宣言して、遠泳バトルは幕を閉じた。
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