第47話 男同士の会話ならしょうがない
「まぁーまぁーミチル」
そんなミチルを彼女の渚が宥める。
頭をポンポンされたミチルは照れくさそうにしている。
「分かった。それならあたしが相談に乗ってあげる」
「ありがとうミチルちゃん。これでもしかしたらこのモヤモヤの正体が分かるかも」
「良かったね早苗。これで分かるかもしれないね」
ミチルに相談に乗ってもらえることになった早苗と茜は二人して喜び合う。
これでこのモヤモヤや胸の苦しさの正体が分かるかもしれない、
一筋の光が見えてきた。
「もうホームルームが終わるし、早苗は昼休み屋上に集合ね」
「分かった。でもなに言われるか不安だから茜ちゃんもついて来て」
「もちろんだよ。あたしももちろん一緒に行くよ」
「いやいや、それはダメだから。早苗一人で来て」
「「えっ」」
トントン拍子に相談する場所や時間が決まっていく。
早苗と茜は二人でミチルに相談するつもりだったが、なぜかミチルに断られてしまった。
あまりにも意外だったせいで、早苗も茜も呆けてしまう。
一方、ミチルはなぜか呆れたように首を横に振っていた。
「茜ちゃんにも聞いてもらいたいんだどダメなの」
「早苗がなににモヤモヤし、苦しんでいるのかあたしも聞いておきたい」
「いや~……それは~……だってね~……」
茜とも悩みを共有したかった早苗はミチルに食い下がる。
茜もまた早苗のことを心配しているらしく、早苗がなにに悩んでいるのか知りたいらしい。
二人に食い下がれたミチルは歯切れの悪い表情を浮かべながら、アイコンタクトで渚に助け舟を求める。
「きっとミチルは早苗と男同士、腹を割って話をしたいんじゃないのかな」
「そうそう。男同士腹を割って早苗と話したいから今回は早苗と二人で話させて」
「……分かった。男同士の会話ならしょうがない。早苗のことよろしくね」
「うん、分かった。ミチルちゃん、男同士腹を割って話そう」
ナイスな渚のアシストに、それらしい理由を付けて説得するミチル。
茜も男同士を腹を割って話したいと言われ、潔く身を引いた。
早苗もミチルの言い分に納得する。
ミチルの言う通り、男同士腹を割って話をするならば、女の子の茜は連れていけない。
さすがの早苗も男同士腹を割って話す場に女の子がいるのは恥ずかしい。
それが例え、幼馴染の茜だとしてもだ。
ちなみに、茜の裸や早苗の裸は小さい頃からたくさん見てきて、今も見ているので恥ずかしさとかはお互いなかった。
その後、一時間目の授業が始まり、四人は自分の席に戻った。
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