第29話

 まだまだ空は明るいが、どことなく物悲しいカラスの鳴き声が、夕暮れを知らせていた。

 純はどこに向かうでもなく歩きながら、ぼんやりと考え込んでいた。

 ここのところ、雅尚の家や勤務先に入り浸っていたせいで連日帰りが遅いことを、さすがに母親に咎められてしまったのだ。

 純は勉強もスポーツも優秀なうえ、どちらかというと放任主義の母親であった為、めったなことでは注意をされることは無かった。

 それでもさすがに一人娘の帰りが連日遅いとなると、口を出さずにいられない母心というものは、純にも理解できた。

「鈴木先生のところに通っている」

(そう説明したらどうなるだろうか)

「鈴木先生?ああ、前の担任の?でもどうして?」

(きっとお母さんはこう言うだろう。どうしてと言われても困る。興味があるとしか言えない。そして、年頃の女の子が特定の男性に興味を持つ感情を何と呼ぶのか――)

 純は、気が付いたら国松総合病院の前まで来ていた。今日、雅尚が出勤していることは分かっている。

 華奢な手首に巻かれた無骨な腕時計に、ちらりと目をやる。可憐さも色気も無い時計の針は、午後四時四十五分を指し示していた。

 まだ閉館前なので、純は普通に正面玄関から入った。

 正面玄関の風除室には、防災センターへの出入り口があった。

 雅尚が姿を見せやしないかとひやひやしたが、何事も無く素通りできた。そのまま中央ホールを抜け、医師や看護師、入院患者らしき人々の往来を真っ直ぐ突き進むと、時間外通用口と救急外来が見えてきた。

 救急外来の受付には、患者がいないのか、若い女性の事務員がひまそうにスマホをいじっている。純には全く気付いていない様子だ。

 純は、誰もいない救急外来の待合スペースに到着すると、辺りを見渡した。そこに『発熱患者用』と書かれた車輪の付いたカーテンによって周囲から隔離された長椅子を見つけると、身を隠すように腰を下ろした。 

(もうすぐ五時だ。そろそろ――)

 純がそう思っていると、ほどなくして警備員が三人、がやがやと雑談しながら救急外来の受付に入って行くのが、カーテンの隙間から見えた。

「お疲れ様でした」

「お疲れ様です」

 挨拶が聞こえた後、ほどなくして受付から事務員が出て行った。

 どうやら夕方五時を境に、受付は事務員と警備員が交代するらしい。すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「なんだか臭いですよ、小堤隊長。もう少し離れてくれませんか」

「何だと?そんなにはっきり言わなくても――全く面白い奴だ。中西も少しは見習え。ここまでとは言わんが、もう少しお前は人とコミュニケーションをとらんといかん」

「――ですよ」

(最後の声はぼそぼそとして聞き取れなかったけど、多分『中西』と呼ばれた男の声だろう。最初の声は鈴木先生だ。『隊長』といえばここで一番偉い警備員だろうに、臭いだなんてみっともない――いやいや、違う。先生の方だ。相変わらず言いたい放題だな、全く。ま、そこが先生のいいところだけど)

 おじさん達がギャーギャーと騒いでいるのを、純はしばらく笑みを浮かべて聞き入っていたが、一人の女の子が救急外来受付の様子を窺っているのに気付いた。

 女の子といっても、二十二、三才だろうか。幼い顔立ちだが、くりっとした目にぷっくりとしたほっぺが印象的で、純から見てもかわいいと思える。

 白い七分袖のシャツに、クリーム色のロングワンピースを合わせた、いかにも女の子といった清楚な印象の女性だ。

 着ている洋服とは相反して無造作に後ろで束ねた髪型と薄い化粧から、勤め帰りである印象を受ける。

 どこかのお店のお菓子だろうか、手には小さなかわいらしい紙袋を下げている。カーテンの陰にいる純には気付いていない様子だ。

(この時間、この場所で勤め帰りということは、この病院の事務員か、看護師さんかな。どう見てもお医者さんには見えないし)

 純がぼんやりと考えながら見ていると、女の子は意を決したように声を発した。

「あのう」

 女の子に声をかけられて、騒いでいた警備員達の声がピタッと止んだ。

「はい、どうされました」

 すぐに『臭い小堤隊長』の、営業用の愛想のいい声が聞こえてくる。

「先日はありがとうございました」 

 少しの静寂があった。純からは受付の中は見えないが、警備員達が戸惑っている様子が分かる。

「えっと、一体――」

 また、臭い隊長の声。

「あ、ごめんなさい。そちらの方に――あの、こないだはお名前を伺う暇が無くて」

「え?僕――ああ、あの時の」

(返事をしたのは鈴木先生だ。ということはあの女の子はもしかして――)

「先日は困っているところを助けていただきありがとうございました。あの、お礼と、あと、お名前を教えていただきたくて――」

 女の子がどぎまぎしながら、手にしたかわいらしい紙袋を持ち上げたときだった。

 けたたましいサイレンとともに、まだ暗い時間外出入り口の前を、救急車が通過した。

「ち、聞いてないな。まだ五時前だってのに――中西、看護師に聞いてこい!鈴木もついて行け」

 臭い隊長の大きな愚痴と指示ともに、受付の奥にある、救急外来の中へと続く扉が開閉された音が聞こえる。

 おそらく『中西』と呼ばれた男が雅尚を連れて、今の救急車の情報を取りに行ったのだろう。

 女の子は、さっと紙袋を下げて待合の椅子に座った。

 純は感心した。

(自分の用事を先に押し通そうとせず、かといってまた後日ということもせず、黙って待とうとするなんて。なかなかどうして、簡単なことなのにできる人は少ない。料理を運んでいる最中の店員に注文しようと声をかける人、レジで接客をしている店員に売り場を尋ねる人、そういう人を見かけるたびに思う。相手がどういう状況か見て判らないのだろうか、と。この子はきちんとした家庭で育ったんだ。また後日、と言わないのも本当に先生に感謝しているからだ。偉いわ、今どきの若者にしては)

 十七歳の純がそんなことを考えていると、再び受付の中が騒がしくなった。

「何、交通事故?付添もいない?じゃあ救急隊員から患者の情報をもらって来い!そんなこと言われなくてもやれ、何年やってるんだ!」

 小堤の怒声が聞こえる。おそらく『中西』という男が怒られているのだろう。

 さすがに警備隊長というだけあって、怒声に迫力がある。

「あ、もらってきましたよ。これですよね」

 間髪入れず雅尚の声と、かさかさと紙の音が聞こえる。

「お、えらいぞ。まだ二、三回しか対応したことないだろう――少しは鈴木を見習え、中西」

 再び小堤の厳しい声の後は、中西らしき男の何かぶつぶつ言う声と、おそらく臭い小堤が受け付け作業をしているのだろう、パソコンのキーボードを叩くカタカタという音と、プリンターのガタガタという音が聞こえてくる。

 すぐに受け付けは終了したようで、警備員達が落ち着いたのを見て取った女の子が、立ち上がって受付に近付こうとした時だった。

「さっきからぶつぶつ言ってないで、言いたいことがあるならはっきり言ってみろ!」と、またも小堤の怒声が鳴り響いた。

 どうやら中西が、また小堤に叱られているようだ。

 立ち上がった女の子は肩をびくっとさせて、再び椅子に腰を下ろしてしまった。

「小堤隊長、中西さんはもともとこれくらいの声量であって、別にぶつぶつ言ってるわけじゃないですよ」 と、雅尚の声。

(ああ先生、今そんなこと言ったら矛先が――)

「何だと――見ろ!何年も後輩の人間にかばってもらって恥ずかしくないのか!」

「――ですよ」

「別にかばってるわけでは――中西さん、何年も先輩だったんですか?僕はてっきり、中西さんも最近入社したもんだと――」

「聞いたか?新人にこんなこと言われてみっともないと思わないのか!」

「――でしょ」

「中西さんはそもそも陰気くさいですもんね」

 純は「駄目だこりゃ」と呟きながらもしばらく笑顔で聞いていたが、ふと思い出してカーテンの隙間から女の子の様子を窺った。

 彼女は膝に手を置いて、警備員の言い合いがひと段落つくのを、辛抱強く待っている様子だ。

 警備員達の言い争いも五分近く経った頃、不意に診察室の扉が開いて、サラリーマン風の男が出てきた。

 年の頃なら三十代半ばくらいだろうか、少しくどいくらいに艶のかかった七三分けの、それでいて清潔感を感じさせる爽やかな営業マン、といった印象の男だ。

(先日の元プロ野球選手のおじいさんが出てきたところと同じ扉だ。ということは、彼は今の救急車に乗っていた患者で、処置が終わったということかしら。さっき交通事故だと聞こえたけど、たった十分足らずで処置終了なんて、軽症で済んだんだな。それにしても――)

『救急外来』であるはずのこの場所で、重症者や重病者をほとんど見かけないことに、純は驚いていた。

(こないだも何時間か様子を窺っていたが、普通に歩いてくる人や、救急車で運ばれて来てもすぐに処置が終わってしまう人ばかりだった。そういえば、日中は仕事があるからと、緊急性も無いのに夜間に救急外来を受診する『コンビニ受診』が問題になっていると聞いたことがある) 

「終わりました」

 男が受け付けに声をかけると、当然警備員達の言い合いはピタリと止んだ。

「お疲れ様でした、ええっと――篠崎様、ですね。篠崎様、本日は保険証はお持ちでしょうか」

 また小堤の営業用の声が聞こえてくる。

「持ってるけど――僕は交通事故で搬送されたんですがね」

 篠崎という男は、不機嫌そうに答えた。

「ああ、それはご災難でしたね。でしたら保険証は使えませんので――本日は預り金として、一万円預からせてもらってよろしいでしょうか」

 小堤の問いかけに、篠崎は不機嫌そうな顔をさらに歪めて言った。

「何?あなた聞いてたんですか?俺は事故の被害者なんですよ。何で被害者が金を払わなきゃいけないんだ!」

(あーあ、せっかくの爽やかボーイが台無しだ。あ、こっちが本性か)

 純はそう考えて眉を八の字に下げた。

「お気持ちは分かりますが――事故の加害者の方か、保険会社と連絡は取れますか?でしたら――」

「取れるわけないだろうが!加害者の奴は今頃警察と現場検証でもやってるんだろう。救急車で運ばれる人間がのんびり連絡先の交換なんてできるわけないだろうが。そっちで警察にでも問い合わせてくれ」

(ぴんぴんしてるくせに)

 純は眉をつり上げた。

「困りましたねえ。病院側でそういったことはできませんので――」

 純の耳に、あまり困ってなさそうな小堤の声が聞こえてくる。おそらくこのようなことは、珍しいことではないのだろう。

「あのう」

 純は思わず「キター!鈴木先生の声だ」と呟いて、ニンマリした。

「あなた子供の頃、友達におもちゃを貸したこと、あるでしょう?」

「何だ?何の話だ、突然。今このおっさんと話をしてるんだ。引っ込んでろ!」

 篠崎は少し戸惑いながらも、高圧的に怒鳴った。雅尚は構わず続ける。

「その友達がほかの友達と、あなたのおもちゃで遊んでいた際、誤っておもちゃを壊してしまった。壊したのは友達の友達、すなわちあなたの知らない人間です。あなたは誰に弁償してもらいますか」

「あん?そんなもん最初に貸した連れに弁償してもらうに決まってるだろ」

 篠崎は苛々しながらも、律儀に答えた。

「なぜですか?壊した当人に弁償してもらおうとは思わないんですか?」

 雅尚は淡々と問いかけた。

「何でそんな面倒臭いことしなくちゃいけないんだ。いいか、物を貸した側にとって、誰が壊したか、何で壊れたかなんて関係無い。貸したものを壊されたんだから、貸した相手に弁償してもらうのが筋ってもんだ。その連れにしたってまずは俺に弁償して、それからその壊した相手に請求――」

 篠崎は言いかけて、ハッとした。

「そうですよね。今回だって同じです。病院はあなたの怪我の治療をしただけです。あなたが何で怪我をしたのか、誰に怪我をさせられたのかなんて、病院にとっては本来関係無い。現段階で、あなたに怪我をさせた相手はここにいないし、保険屋と連絡も取れていない。あなたが先程仰ったとおり、まずはあなたが治療費を支払い、その後事故の加害者に、あなたが治療費を請求するべきです」

 雅尚の言葉に何か言い返そうと考えていたのか、篠崎はしばらく顔を真っ赤にして黙り込んでいたが、やがて顔色は赤から黄色、そして青白く変化していき、また真っ赤になった。

 純は「信号機みたい」と呟いた。

「――確かにそうだ。申し訳ない、私とした事が、事故に遭って感情的になってしまった。治療をしていただいた病院で治療費をごねるなんて、全くお恥ずかしい。一万円ですね。お支払い致します」

 篠崎は気恥ずかしそうに、受付のカウンターの上に一万円札をそっと置いた。

「やっぱり。あなたは話が通じる人だと思ってました。見るからに賢そうだ」

 雅尚の声が聞こえてくる。純は「一言多い」と呟いて微笑んだ。

「それでは一万円お預かりします。本日は時間外につき、正式な診療費ではございません。また後日――」

 小堤の形式ばった説明が続く中、純はふと、待合で待ち続けている女の子に目をやった。

 彼女は長椅子に、真っ直ぐに背を伸ばして座ったまま眼を輝かせて受付を、いやおそらく雅尚を見つめている。

(あの眼はもしかして――)

 純が複雑な顔をして受付に視線を戻すと、ちょうど篠崎が話を終えて帰って行くのが見えた。

 女の子はすっくと立ち上がると、再び受付に近付き、今度ははっきりとした口調で声をかけた。

「お忙しいところすいません。この間のお礼をしたいです。お名前を窺わせてくださいますか」

 頭上に小さな紙袋を掲げて、女の子は受付の中に向かって深々とお辞儀をしている。

「ああ、さっきの――参ったなあ。本当にそんなにたいそうなことをしたつもりはないんです」

 雅尚の困ったような声が聞こえてくる。

「おい、鈴木。何があったか知らんが、こちらは職員の方じゃないか?ここまで仰ってくれてるんだ。ここはいいから、ちょっと受付の外で話をして差し上げろ」

 小堤の隊長らしい気遣いを見て、純は「へえ、臭いくせに」と感心?した。

「西沙織といいます。内科外来の事務員をしています。先日受付で患者さんから怒鳴られていた私を、こちらの警備員さんに助けていただいて。この四月からお仕事を始めたばかりで、あんなこと初めてで――すごく助かりました。鈴木さん、とおっしゃるんですか。これ、つまらないものですが」

 最初は小堤に向かって話していた西沙織だったが、受付から出てきた雅尚を見るなり、彼女は頬を赤らめ、再び紙袋を頭上に掲げながら、深々とお辞儀した。

「困ったなあ。本当にそんなたいしたことじゃないんですけど――西さん、ですか。結構かわいいと思いますけど、私服姿で拝見するとちょっと幼い印象ですね」

(やっぱりこの子は、先日先生が話していた、おじいさんに怒鳴られていたところを先生が助けた事務員に違いない。「一言多い」を通り越して「失礼」な先生の言葉を聞いても、この子は気を悪くするどころか、ますます頬を赤らめちゃってる。こちらも先生に負けず劣らずの変人なのかもしれない)

 純はそう考えながら、また眉尻を下げた。

「あの、鈴木さん。よ、良かったら、お礼にお食事など、ご、ご馳走させていただけたら、と思うんですけど――」

 西沙織はまるで風呂上がりのように、真っ赤になっている。

(まあ、見かけによらず結構大胆ね。きっと学生時代は相当なギャルだったはずだわ。あの真っ赤な顔も芝居に違いない)

 西沙織の言葉を聞いて、純はカーテンから飛び出さんばかりに、半身近くはみ出た状態で西沙織を睨みつけた。雅尚は背を向けている状態だが、ちょっと振り返ったら自分の姿は丸見えだ。

「いえいえ――この紙袋、中身はお菓子か何かですかね。見たところ二、三千円はしそうだ。もうそれで充分ですよ。僕はあまり間食はしないので、知り合いの元教え子の女の子に与えるとしましょう」

(また余計なことを。いやその前に、人のことを動物にエサを与えるような言い方をして――)

 純は今度は雅尚を睨みつけた。体はカーテンから完全に丸出しだ。

「それでしたら尚のこと、お食事をご馳走させてください!」

 西沙織はむしろ得たり、とばかりに必死に続ける。

「いやいや、本当にいいですよ。見た感じ、多分食べ物の趣味も、話も合いそうにない。時間の無駄でしょう」

 雅尚の言葉に、さすがに西沙織は俯いて悲しそうな顔を見せた。と、その時だった。

「おい、いい加減にしろよ!西さんがここまで言ってくれてるのに!」

 声がした方向に、純は鋭い視線のまま照準を合わせた。

雅尚と同じ制服を着た男が、受け付けの扉を勢いよく開けて飛び出してきたのが見える。

 男は痩せた、というよりガリガリの上半身を鳩のように上下させながら、色白、というよりは栄養失調で青白く痩せこけた頬で、疲労、というよりは病人のようにハアハアと息を吐き出している。どうやら怒鳴りながら扉を開け放っただけで、息が切れている様子だ。

(この人がさっきから臭い隊長に怒られていた『中西』に違いない。自分の部屋にこもって爆弾でも作っていそう――)

「おい、中西――」

 小堤がたしなめようとするのもお構いなしで、中西は続けた。

「失礼なことばかり言いやがって!何様のつもりだ」

「何様だなんて――中西さん、彼女のこと御存じなんですか」

 雅尚は、不思議そうな顔で返事した。

「今そんな話してないだろうが!」

「お知り合いだったんですか。だから西さん、僕にも気を使ってたんですか?全く気にしなくていいのに」

「いえ、私はその方、今日初めてお見かけしましたけど――新人さんですか?」

「え――」

「そう見えますよね。僕もさっき初めて知ったんですけど、中西さんは僕の何年も先輩だったんですよ。見えませんよね。挙動不審だし、存在感も薄いですし」

「いえ、私はそういうつもりで言ったわけでは――」

「お前いい加減に――」

「鈍いですね、先生。中西さんは西さんに好意を持っていて、以前より遠くから眺めていた。だから中西さんは西さんのことを知っているけど、西さんは中西さんのことをまるで知らない。それぐらい想像つきませんか?」

「真島さん!いつからいたんだ?いや、それより職場には来ちゃだめだと――」

「え?私に好意を――そうだったんですか?私全く気付かずに――でもごめんなさい。中西さん――ですか?せっかくですけど、お断りいたします」

「君は誰だ?勝手なことを――え?」

 純の登場で騒然となった場は、告白もしていない中西が振られるという、唐突なオチで幕引きとなったのだった……。

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