日曜の昼下がりは、家を留守にしております

こんな手紙が届いた。


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親愛なる業者さま


 いつもお世話になっております。

 日曜の昼下がりは、家を留守にしておりますので、ご自由になさってください。玄関のカギは開けておきますので、どうぞそちらからお入りください。先客がいるかもしれませんが、お互い譲り合いの精神を忘れずに、友好的におふるまいください。


 また、日頃のお勤めへのねぎらいの意味を込めまして、ささやかではございますが冷蔵庫の中に手作りのケーキを差し入れさせていただきます。召し上がった後の食器はそのままで構いませんので、お気づかいなく。


 家の中にあるものでしたら、何でもお持ち帰りいただいて構いませんが、持って行かずに置いていくものに関しては、そのままにしておかず、必ず元の場所へお戻しくださいませ。今朝は片付いていたはずのお部屋が、帰宅した際に散らかり放題では、誰でもいい気はしないものです。ご職業柄難しいかもしれませんが、最低限の節度を守っていただけますと幸いです。


 もう2度もお越しいただいているので、必要ないかもしれませんが、よろしければ下記ご参考になさってください。


●通帳は神棚の奥にあります。

●印鑑は仏壇の下にあります。

●寝室にある金庫の鍵は、書斎の引き出しの中にあります。


追伸

毎度お越しいただいてばかりでは悪いので、今度はこちらからご挨拶に伺わせていただきます。住所は存じ上げております。必ずご在宅時に伺います。


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