金の鞄、銀の鞄
女は、湖畔を歩いていた。
不意に、水辺のサギの群れが一斉に飛び立ったので、女は驚いて腕に提げていた鞄を湖に落としてしまった。
すると水中から女神が出てきて、ピカピカに光る金の鞄を女に見せて言った。
「あなたが落としたのは、この金の鞄ですか?」
「いいえ」
「では、こちらの銀の鞄ですか?」
「いいえ」
続いて女神が女の落とした鞄を見せようとした正にその時、女が刺々しい口調で言った。
「いいかげんにしてよ。私のバッグがそんなけばけばしいレプリカ品なわけないでしょ。エルメスの高級バッグよ、早く返しなさいよ」
女は女神から鞄をひったくるとさらにこう続けた。
「近頃のサギはこんな所にも出るのね、全く油断も隙もありゃしない」
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