ナメクジとカタツムリ
一匹のナメクジと、一匹のカタツムリが、葉っぱの裏で舌鋒鈍く論じ合っていました。
「カタツムリくん、きみにはりっぱな殻があるね」
「なめくじくん、きみは殻がないから、せまいすき間も通れるね」
「カタツムリくん、きみは僕みたいに乾きがこわくないだろうね。逃げ場があるものね」
「なめくじくん、殻がないきみは、カルシウム不足を気にしなくていいね」
「カタツムリくん、きみは人間からかわいがられていいね。歌まで作ってもらってさ」
「なめくじくん、殻がないきみは、人間の子どもたちに乱暴に遊ばれることがなくていいね」
葉っぱがゆらゆらし始めました。
おや、と思った二人は、葉っぱの表に来て、天の恵みに体をゆだねました。
二匹とも、さっきまで何を論じ合っていたのか、とうに忘れてしまっています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます