ゴミ箱のヤマ

 大量のプラごみが問題になっている昨今、私も微力ながら環境保全に貢献したいと思ってエコバッグを使い始めた。どうせならエコバッグもエコな物をと思った私は、古着でバッグを手作りすることにした。


 元来、はまるととことん理想を追求してしまう私は、バッグ作りにのめりこんだ。機能とデザインの両面を充実させたくて、古着の前提なんて簡単に覆し、わざわざ手芸店へ足を運んで材料を調達してくるようになった。

 気づけば、リビングの片隅にそびえるバッグのヤマ。

 そのヤマを見た妻が、呆れかえっているのは知っていた。毎度のことだ。それでも私はかたくなにバッグを作り続けた。作れば作るほど理想のバッグから遠のいていくかのようなむなしさすら覚えたのに。


 私の裁縫技術はいよいよ洗練されていく。

 

 バッグのヤマの横には、ゴミ箱のヤマ。

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