エピローグ(2)
子竜と飛鳥は、外に出た。
夕日で空が真っ赤に染まって、子竜たちの影が長く伸びる。
「子竜。おじい様からおゆるしが出て、良かったね」
「そう思っていいのかな」
「なにその反応。おじい様の前では、すごく自信満々だったじゃない」
「……そうなんだけどさぁ」
「今の子竜は、あの時とは違うよ」
「そう……思うか?」
「うん。お金も取ってないしね」
「そ、それを言うなって」
飛鳥は元気に笑うと、子竜の右手をぎゅっと握った。
「大丈夫だよ。……ね?」
飛鳥の顔を見ると、本当に大丈夫なように思えてくるから不思議だ。
「よーっしゃっ! これからバリバリ除霊するぜぇーっ!」
子竜は大声を上げて、はしゃぐ。
「もー! 調子にのるなーっ!」
「あはは! 冗談だってっ!」
子竜と飛鳥のはしゃぐ声が、夏をおとずれをしらせる空に高くこだました。
見習い陰陽師と迷宮アプリ 魚谷 @URYO
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